アーカイブ UAコーティングでなくUV照射コーティング光沢復元洗浄の話
2019年6月13日の記事のアーカイブです。
春先のこの写真の物件は建物の用途が変わり改装され、床のデザインが変わりましたが、結局10年以上綺麗な状態で光沢復元洗浄のみで管理してきました。
ワックスより耐久性があるのは確かですか、傷の補修は大変なものです。
まず被膜の種類を大きく分けると、
◯剥離できるワックスと言われるグループ
・アクリルワックス→一般的なワックス
・アクリル&ウレタンワックス→ウレタンが入っているので密着率が高くなるが剥離性が悪くなる。
※某メーカーの昔あったワックスは、その作ったメーカーですら剥離ができないという伝説も残っていますね。
◯剥離できないコーティングと言われるグループ
・水性ウレタン系
→頑張れば濃い剥離剤で剥離は可能とも言われるけど、現実的には難しい。
ナノプラスの洗浄液で光沢復元洗浄可能。
・UV照射系
→剥離剤不可、ナノプラスの洗浄液で光沢復元洗浄可能。
・シリカ系(ガラスコーティングとも呼ばれる)
→ベースにウレタンを使い、トップにシリカ系を使うもので、大きな傷を入れてウレタンを剥離してなんとかしようというタイプ。
現実的にそれを施工できる人はほとんどいない。
※アクリル系によっても剥離できないものも存在しますが、概ねこう言った分類になります。
↓ここから過去記事
コラムを書いてアップを忘れていたネタ。
うちの会社も10年以上前はUV照射タイプのコーティングにはまっていた時代がありました。
しかし、
・UV照射による作業者へのダメージ
・メンテナンス性の悪さ(剥離不可能)
・床材の反り
・被膜の割れ
・照射時間にムラによる被膜品質のムラ
・ノンワックスタイルに密着できない
などなど、いろいろな理由がありやめました。
それでもいくつかの現場には塗った場所が残っているんですね。
UV照射機などは売却したのでリコートはしていません。
nano+だと洗浄で被膜を減らして光沢復元ができるので管理は可能です。
しかし、これまでの技術では大きな傷が入る前に手を入れる必要がありました。
そして最近気になっていたのですが、これはそろそろやばいなと。。。
このUVコーティングは覚えていないぐらい洗っておらず、太陽光がよく当たる部分は過度に酸化して割れが出ていました。
またリコートする度に下に塗っている被膜はUVの照射を何度も受ける為、さらに酸化が進みます。
こうなってしまうと割れの下まで削るしかありません。
本来はその前に多機能還元水で洗浄して被膜の柔軟性を維持してやらないといけないのですね。
ワックスの場合はUV照射しないので割れるのはかなり先ですし、剥離もできますので問題ありませんが、コーティングの場合は剥離ができないので割れてしまいます。
洗浄前の写真を撮り忘れていましたが・・・
過度に効果して被膜の耐久性が落ちてきているので、傷が多くなっていました。
そして被膜の汚れもひどいものでした。
多機能還元水とnano+クリーナーをそれぞれ100倍希釈、使い古しのUS SPPパッドで傷の入った部分を除去して平滑に洗浄するので光沢が復元できます。
それでも光沢をさらに上げたい場合は、3Mのダイヤモンドパッド(紫)と500倍希釈の洗浄液で再度洗浄をかけて細かいレベリングを取ります。
となれば、管理には高いレベルが要求されますが、UVコーティングでも被膜のメンテナンスが実用的になるんですね。
実際にうちの現場の一部に残ったUVコーティングの部分は、洗浄だけで光沢を復元して管理をしています。
コーティング剤はケミカルコストが高いですから、リコートがなくなればケミカルコストが下がるだけでなく、照射までの溶剤の揮発待ち時間も短縮でき作業時間も短縮に。
さらに光沢復元洗浄ができますから、コーティング剤の薄塗りも可能となり、リコートする場合も作業時間が短縮が可能。
そしてこれはまだ序の口。
さらに研究は続きます。。。
↑過去記事ここまで
ワックスを傷はワックスを塗って消すものだと思っている方もまだ多いようですが、それは間違えた認識であって、目で見えるレベルでは傷の入ったところをワックスを塗っても、傷のないところは光沢が上がりますが、傷のないところは光沢は上がらないので、結果傷が目立ってしまうという現象が起こります。
傷を消すのは被膜を減膜するのが1番簡単で、光沢復元洗浄の理論というのは傷がないところまで平滑に減膜しましょうねというものです。
つまり減膜性(剥離性)の良さ=光沢復元洗浄の良さになっていく訳で、UAフィニッシュLをそれが良いので光沢復元性が良くなるのです。
耐久性の高い被膜を使っても基礎技術レベルが低い人では、レベルが高い人がUAフィニッシュLを塗った方が耐久性が出せるのです。
食品スーパーで1年びくともしないコーティングなんてなかなかありません。
そして剥離ができないのはただのリスクでしかありません。
ちゃんと作業手順や理論にそって作業すればそれは簡単なことなのですから、下手にリスクを負うことなく、知識や技術を磨いてリスクを負わず、初期投資もかけずに現場管理を進めて頂くことをお勧めします。