床材やワックスの弾力性②

今回はその上に塗るワックスやコーティングの柔軟性の話です。
ワックス側の柔軟性の問題もあります。
ワックスもだんだんと酸化し弾力性がなくなって割れやすくなっていきます。
10年以上経過した黒ずんだワックスなんかは顕著です。
そのワックスに弾力性を持たせるには、ワックスを塗布して可塑剤を補給していくか、多機能還元水のような被膜を還元できるもので柔軟性を戻していくかです。
還元洗剤だったりアルカリ電解水なども還元ですが、ワックスに柔軟性を持たせるほどの力はありません。
一般的なビルメン洗剤は酸化洗剤も多いですからなかなか注意が必要です。
酸やアルカリについては当たり前でも酸化や還元については無頓着なメーカーもありますから。
酸性だから酸化、アルカリ性だから還元ということではありません。
ワックスやコーティングでもベース剤に特化したものは、硬くならないよう追従性を維持できるように設計されます。
その代わりにトップコートに必要なスペックを諦めるので、トップコートを塗らずに放置すると極端に汚れたり、傷が入りやすかったりします。
finish+はUAコーティングに比べても硬くなりにくく密着率が下がりにくい傾向にあるので、さらに長期的なメンテナンスに向いています。
耐久性というと、「硬さはえんぴつ硬度でどのくらいですか?」なんて聞かれたりしますが、硬さは耐久性を構成する一部ではありますが、それがすべてではありません。
確かに硬いと初期光沢の落ちにくさという面ではアドバンテージがあります。
ただそれは初期であり、長期で見ると必ずしもそうではありませんし、傷の補修ができません。
傷というのはHPの光沢復元洗浄の部分をみていただくとわかりますが、上にワックスを塗ろうがコーティングを塗ろうが傷は消せません。
傷を消すのは減膜が必要で、これは車のボディのコーティングなどでも同じなのです。
また硬いということは追従性に欠けるということで割れやすいといえます。
どんなに硬いものでも床材や被膜同士の密着率が低ければ耐久性は出ません。
つまりは硬いよりもっと大切なポイントがあるということで、finish+はそういった別のポイントを意識しているのです。
UAコーティングを専門学校の教室に10年前に塗布した現場がありますが、一度も上に何も塗っていなくてもまだ綺麗です。
日常清掃は除外で、光沢復元洗浄も1年半〜2年に1回しか行っていません。
椅子の傷も入る専門学校の教室でガラスコーティングがUVコーティングではここまで長期的な維持は不可能です。
年末の作業でも綺麗で上に塗る必要はまったくありませんでしたが、さらにメンテナンス周期を伸ばすのと、次回の洗浄作業を楽にするためにfinish+を上に塗りました。
簡単に剥がせるということは傷が消し込みやすく、洗いやすいということになり、洗浄時間の短縮に繋がります。
床材と上に塗るワックスやコーティングの柔軟性、またそれを洗浄する洗浄液の組み合わせによって適切な管理をすることが10年単位でも長期的な維持管理ができるポイントになってきます。
メンテナンスという言葉の中には被膜の適切な柔軟性管理というのも含まれているのです。
2025年02月13日 00:00