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アーカイブ 現場改善は逆向きに考える

2019年6月11日の記事のアーカイブです。

現場で作業する時に目の前のことを見て作業する人は多いですね。
前を見てないと危ないからとかいう話ではないのです。
現場を見る時にどこから見ていますか? 
見えているものを見ているのか、現場を上から見ているのか、時間に対する進捗に対して見ているのか。
見方はさまざまです。
とはいえ、現場は決まって時間内に決まってクオリティで仕上げることが大切です。
それを考えると広いところから狭いところ、未来から現在に向かって見る必要があるのです。


↓ここから過去記事

うちの現場(食品スーパー)での出来事。
店長が変わり、あまり清掃しないだけでなく、ダンボールやケースをひこずるようになり、床の痛みが一気に激しくなった現場。
改装があり一部を新品のタイルに張り替えたものの、毎月メンテナンスに入ると下地のUAコーティングだけでなく、床材にまで傷を入れてしまう店舗。
UAコーティングまで傷や汚れが入ってしまうと、ポリッシャーの洗浄スピードはガクッと落ちてしまいます。
洗っているとUAフィニッシュLが取れていくのと、UAコーティングが取れていく違いが分かります。
UAコーティングが傷に強いからこそ床材まで傷が入りにくく維持ができます。
しかしそれでも床材まで入った場合はもっとスピードが落ちてしまいますね。

初期の施工で、UAコーティング1層+UAフィニッシュL2層塗っていても、度々の洗浄UAフィニッシュL1層塗布ではUAフィニッシュLはどんどんUAフィニッシュLの被膜は薄くなっていきます。
となると↑のような状況が起こるわけでして、「掃除しろー!」とか「物をひこずるなー!」とか言いたくもなるものです。
実際に本部にまでクレームを言いに行ったこともありました。
洗浄時間がかかると作業がしんどいので、ワックスは1層で逃げたいと思ってしまい、UAフィニッシュLが増膜していかないので、いつまでも改善しない洗浄のしんどい現場ということになり、収益性悪いなぁという結論になってしまいます。



 

改善するには

原因となっているのは、UAフィニッシュLが増膜できていないから。
なので一度はしんどいですが、US SPPパッドの新品で洗浄してUAフィニッシュLを厚めに2層入れましょう。
暖かい時期で環境が整っていれば20cc/㎡×2層でも塗布できます。
2層と言えど、1層あたりが20ccだとかなりの厚みになりますね。
これだけあると扱いが悪い店舗でもUAフィニッシュLで受け止めて、UAフィニッシュLを除去すればいいのなら洗浄スピードは落ちません。
つまり、洗浄時間を短縮する為にUAフィニッシュLの2層目を塗る方に時間をかけるんですね。
洗浄時間が間延びするより、ワックスを塗る時間の方がはるかに短い。
UAフィニッシュLのしっかりした被膜ができることで安定的な管理ができます。

遠回りと思われがちですが、こちらから改善していった方が結果が出ます。
フロアメンテンンスは奥が深いですね。

↑過去記事ここまで


上記の件では、未来から過去に対して見て改善を考えている事例です。
先週のコラムで作業スケジュールの話をしましたが、それは1回の現場作業として見ています。
今回の話は現場を年間単位で見て判断しています。
そしてこの頃から比べ技術の進歩によって、一度塗ったUAフィニッシュLが3年や5年維持できるような時代に変わってきています。
そうなってくると5年や10年でどうするかという話に変わってきます。
当社で机の多い専門学校を管理していますが、こちらではもう10年以上光沢復元洗浄のみという計画で管理しています。
良質な被膜を作ってしまえば机や椅子のひこずりにも負けず、年1、2回の光沢復元洗浄でメンテナンスできます。
そして机や椅子が多くある物件でワックス塗布をしないということは、ワックスの乾燥時間が発生しませんからどんどん作業が進みます。

この物件の場合は、下地が出来上がっていてある程度管理を進めた状態からUAフィニッシュLを35cc/㎡くらいかなり厚めに塗布してしっかりレベリングして乾燥させています。
これを乾燥が悪い時期に薄めに薄めに何回か塗っていたのでは不可能なことで、こういう管理をする為に計画して時期を選んで作業をしています。
ちなみにですが、天気予報も確認しています。
天気が悪ければ乾きませんからもちろん順延となります。

未来を描いてこうしたいから今この作業をするということをしなければいけません。
これは現場がうまくいかない時もそうで、目の前のことも改善しなければいけませんが、未来から見て改善されなければ小手先の改善にしかなりません。

現場の管理というもっと実務的なレベルで見れば土砂取りマットなんかは分かりやすい例ですね。
7万円するような土砂取りマットを当社の管理物件ではお客さんからマット代を頂かなくても勝手に設置します。
初期の時点では赤字かもしれませんが、3Mの土砂取りマットは15年くらい使えます。
10年で考えると1年で7000円で、1ヶ月583円ですね。
583円で下手にダスターをお客さんがかけるよりよほどか土砂を取ってくれます。
目の前の利益だけを考えているとこういう発想はできません。
これが見えているから定期清掃の時間を短縮したり、ワックス塗布回数が’減ったりして月583円以上の価値になります。
お客さんにトレールモップや多機能還元水を無料で渡して日常的なメンテナンスをしてもらうのも同じことです。

視点を広く、未来から過去まで拡げることで見えなかった部分が見えてきます。
そしてこの見えていない部分の収益性向上のアイデアがあったりするのです。
2022年09月01日 05:55