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カーペット管理

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こちらの写真、先日カーペットのリセット洗浄を行った時の写真。
インスタのストーリーズを見たお客様からも綺麗になるものですね〜とメールを頂きましたが、綺麗にするのはさほど難しいことではありません。
重要なのはこの後汚れにくくなって、定期清掃のスパンが伸ばせたり、定期清掃が楽になったりとコストが下がっていくということ。



 

右側の汚水の写真

この日は1日で2現場やったのですが、右上は1現場目、右下は2現場目です。
右上はペール缶の底に3センチぐらい汚水を入れたもの。
墨汁のような濃さ。
ここまで汚れを洗浄液に溶け込ませることは一般的な洗浄液ではおそらく無理で、見たことがありません。
※ペール缶の上まで汚水を入れればこのように見えますが、3センチでこれは出せません。
ワックス床でも洗浄液がドロドロにならないのはこれと一緒で、剥離剤を使う時に100倍で添加するのもこれと同じ理屈です。

右下はタンクに入っていますが、泡がいっぱいですね。
多機能還元水500倍と重曹0.5%で洗っているのになぜ泡がと思うかもしれませんが、これはカーペットに残留した洗剤です。
重曹はシミ抜き効果を上げる為に添加しています。
油汚れの多い現場でも効果的です。
以前は5年程度コロイドの還元洗剤を使っておりましたが、どんどん汚れが取れなくなり、希釈も濃くなりどんどん残留し、恐ろしい速度で汚れていった現場です。
残留した洗剤と汚れが酸化して固着し取れにくくなっていました。
一般的な還元洗剤と多機能還元水の還元の仕組みと効果は違いますので、最終的に酸化して取れにくくなってしまいます。
多機能還元水で酸化し固着した洗剤分と汚れを還元して取れやすい状態に戻して洗浄して回収しています。
これまでは固着したものが取りきれないので、多機能還元水を噴霧して白パッドでメンテナンスという形にしていましたが、ようやく除去できそうな見込みがたったのでリセット洗浄です。
エクストラクターの中にも多機能還元水1000倍希釈を入れてカーペットに多機能還元水を残留させることで乾燥過程でのシミ抜き効果を上げることが可能です。



 

汚れの落ちる仕組み

近日中にコラムにアップしますが、どんな汚れであれ、細かく破砕して洗浄液中に溶け込ませるというのはカーペットでも変わりません。
そしてそれには、アップライトで極力土砂や埃を除去した後、汚れの量に見合った洗浄液の量が必要なのです。

1Lの決まった水温の水に溶けすことのできる固形物の量は決まっています。
だからワックス床ではトレールモップでウェットダスターをかけて洗浄液をまきます。
カーペットではそれをアップライト(テナントV-SMU36)行ってドライで取れる汚れはドライで除去します。
それをしなかった場合、洗浄液の中に汚れの全てが入って行かず落ちきらないのです。
そして汚れに見合った洗浄液、つまり、

 
汚れを取るきっかけになる洗剤と回収する水


が必要なのです。
洗浄液が↑であることを正く認識しなければなりません。
汚れの量に見合った洗剤と水の量がなければどちらが欠けても落とせないのです。

なので、ひどく汚れたカーペットを洗浄する場合は白パッドで表面を洗う時に比べてかなりベタベタに洗浄液をまきます。
実際にひどい場所は、カーペットの表面に洗浄液が浮いてくるぐらいまいています。
そしてエクストラクターをゆっくりかけます。
半分ずつずらしてかけながら、ひどい部分は2回かけています。
エクストラクターの幅は全面洗えるわけではないということと、1回洗っても100%回収できるわけではありません。
そして黒い汚水が残って乾燥するとカーペットは黒く染まります。
なのでリンスの意味も込めて半分ずらして2回洗いするのですね。
ゆっくりかけることで大量の水を吹いて回収しますから、リンス率は上がります。
早くマシンを動かすと1㎡あたりで使う水の量は少なくなり、リンス率は落ちて黒い汚水が残りやすくなります。



 

本来カーペット洗浄は手間がかかる

きちんとした作業をすると手間がかかりますから、リセット洗浄は単価を高く取らないといけないですし、リセット洗浄を行わないように管理して、作業コストを下げていく必要があります。
汚してしまってからでは遅いのですね。
リセット洗浄は下まで洗浄液を打ち込むので、乾燥過程で黒い汚水を下から吸い上げ、カーペットは黒く染まるリスクがあります。
乾燥後を見ずに帰るので、これでクレームになることは多いのです。
浮き上がりが起こっても、多機能還元水は乾燥過程でシミ抜き効果があるので、ある程度はそのクレーム防止が可能です。


写真のエクストラクターはテナント1200なので、リンスの水を噴射→ブラシで擦る→回収という工程を一台でやってくれます。
このマシン小型ですが軽くて持ち運びに優れ、100Vながら吸い口の幅が狭いので高い回収率が出せるのが魅力。
幅が広くなるとその分負圧が分散されますので、回収率は落ちてしまいます。
机の下まで全て入りきらないのだけが問題ですが。。。
ちなみにバキュームするホースも改造してあり、下半分は高剛性のバキュームホースで回収率をさらに高めています。
1本全て交換すると蓋が閉まらないので、上半分は純正のホースをいかしています。
ゆっくりかけることで、水をたくさん使い、たくさんブラシで擦り、たくさんの汚水が回収できます。
昔、いわゆる髙いじゅうたんの洗浄(銀行の頭取室とか)しかしない人の話を聞いたことがありますが、「単純にPタイルに比べ表面積と汚れの量が多いわけだから、それに見合った分だけ手をかけてやれば綺麗にできる」と。
それを理解せずに作業するからタイルカーペットでさえ綺麗にできない。という話でした。
なのでアップライト1つとっても丁寧に時間をかけてやるべきで、一般的に現場で使っているのを見るぐらいの速さでかけていては回収できるものも回収できないのですね。
特に入り口周りなどの汚れのひどい場所は本当にゆっくりかけます。
汚れがそうでもない場所はスピードを上げて全体的なバランスを取っています。



 

乾燥過程で汚さないことの重要性

これだけ水を使ってきっちり回収したとしても、洗浄後カーペットは24時間程度乾燥しません。
乾燥する前に人が歩くと土砂が持ち込まれ、乾燥していないカーペットの水分が黒い汚水となり、カーペットは黒く染まってしまいます。
今回の現場はお客様に事情を説明してエアコンをかけっぱなしにして帰っても良いという承認を取ってエアコンをつけて帰っているので、翌日には乾燥していますが、ショッピングセンターなんかだと作業開始が23時、作業終了が3時、開店9時ぐらいでしょうか。
乾燥前に多くのお客様が来店されます。
そうするとしっかり頑張って洗っても、汚れていくスピードの方が早いので、頑張れば頑張った分だけ汚れていくのです。
そして汚れがひどいから濃い希釈の洗剤を使うようになり、洗剤の残留が増えてさらに汚れるという悪循環に。

そういった問題を解決する為に、多機能還元水を噴霧して白パッドで洗浄して終了という手法が主流となっています。
テナントのR3や1610のReadySpaceのように表面だけを洗うマシンを当初より推奨してきたのもそういった理由からでした。
最終的にローラー自体の洗浄力がないことから、ローラーにマイクロファイバーをつけるという方法でメンテナンスに対する結論を出しました。
汚れの絶対量はエクストラクションのように取れなくても、乾燥が早く、汚れにくいので、汚れる量に対して汚れを取る量の方が多く、管理として成立するのです。
清掃という概念であれば、やった時だけ綺麗であればいいのですが、メンテナンスという概念では作業後のことも考えなければなりません。
実際に日常管理をしているとその差はよく分かりますし、定期清掃においてもバランスの崩れた現場を継続していくのは難しいのです。
だからこそ汚さない管理というのは重要なのです。
2019年08月05日 14:08