水も空気も人間のお腹と一緒
セミナーでもよく言う話ですが、水も空気も人間と一緒で、お腹が空いていれば食べるのは早いけど
お腹いっぱいだと食べるのは遅いのです。
本当のプロとプロ見習いのレベルの違いはこういったことを理解してできるかどうか。
もちろん管理者と作業責任者の方が理解できていれば大丈夫です。
作業者全員に理解してもらうのは大変ですから。
空気の話
HPの作業の図解にもありますが、ワックス塗布する場合は、必ず窓を開けて換気やエアコン(冷房もしくは除湿)で湿度を下げてからワックス塗布して下さい。洗浄中に湿度は上がっていきます。(一度は湿度計で湿度の変化を確認された方がいいですね)
汚水回収してすぐワックスを塗っては湿度が上がっているところに、さらにワックスを塗って、湿度の高いお腹いっぱいの空気に水分を食べさせようとしているのです。
で、お腹いっぱいの空気はゆっくり水分を食べます→ワックスはなかなか乾かないのです。
さらに詰める部分として、そんな状態ではワックス被膜もタイルの水分が抜けていないので、正しい密着をしないのです。
水の話
例えば1Lの水に溶け込む固形物の量は水温によって決まっています。我々の仕事は冷水に粉砂糖を溶かすようなもの。
しかしワックスや被膜になった汚れは角砂糖なのです。
以前剥離の前にハイプロパッドで回すコラムやインスタの記事をアップしたことがありますが、これは大きな角砂糖を粉砂糖に変える作業。
US SPPパッドで普通に洗浄するのも角砂糖を粉砂糖に変える作業ですね。
角砂糖に比べ粉砂糖は全体の水に対する表面積が大きいので溶けやすいのです。
そしてその砂糖が溶け始めることを想像して下さい。
ダスターをかけずに洗う人
「どうせ後から回収するから一緒!」なんて言っている人がいますが、もはや論外。ゴミや埃が残ってワックスにサンドイッチになりクレームなんていうのは愚かとしか言いようのない愚行ですね。
これだと洗浄液を塗った段階に既に水がお腹いっぱいになっているので、なかなか反応したワックスが溶け込んでいきません。
カーペット洗浄におけるアップライトもそうです。
アップライトをしっかりかけた分だけ、洗浄作業で使う水が取れる汚れの量は増えていくのです。
トラックマウントとかを使う人に限って力技で吸えるからアップライトは要らないということがあります。
ポット型バキュームで吸っていたり。
そりゃアップライトを先にかけてから洗った方が作業時間ははるかに早いし、仕上がりも全然違います。
洗剤が濃い人
洗浄液は、洗剤+水(洗剤も水が入っていますが・・・)20倍希釈なんてもうお腹いっぱいなのです。
そうなると汚れが落ちたようにワックスが落ちたように見えても、水が足りていないので正しい洗浄ができていないのです。
だから水をうって洗わないといけなくなり、作業工程が増えてしまうのです。
nano+の洗浄液は500倍。
お腹ペコペコなので、溶け込むのが早いのです。
多機能還元水の還元効果によって溶け込みやすくもなっていますし。
水を足して洗う
剥離剤が一番分かりやすいのは、パッドが目詰まりする人。目詰まりするからブラシがいい!なんて基本ができていないからそうなるのです。
剥離剤をしっかり吸わせて時間をおいて水をうてば、剥離剤の希釈とワックスの量が合っていれば、ワックスはだいたい剥離できるのです。
汚れやワックスを水に溶かして回収しているのだから、それを溶かすだけの水が必要なのです。
もしくはケレンで地道に取ってしまうか。
洗浄の場合はそれが分かりにくいですが、反応した被膜が除去できないので完全な密着の疎外や、減膜できないのでビルドアップの原因になるのです。
なので、ポリッシャーから水を出しながら洗浄することは重要。
ポリッシャーの水は端から出ますが、テナントの洗浄機はパッド台の真ん中から水が出せます。
パッドを水を押し除けながら洗っているので、実際の洗浄面は水が少ないのです。
それをセンターから注水して補うので水が多い状態で洗えるメリットがあるのです。
水を足すというのは食べることのできるお腹の量を大きくしているということ。
さらに洗浄液を集めながら洗うことで100cc/㎡の洗浄液でも洗浄する時点では150にも200cc/㎡にもなるのです。
瞬間的にお腹のサイズを変えてしまうんですね。
実はこれもちょっとした洗浄の技術なのです。
きっちりとした洗浄は、反応した被膜や汚れを除去し切った上で確実に回収すること。
100%それを求めるとなるとウェットバキュームでなく、洗浄機は必ず必要になります。
それもさらに上の耐久性を目指すには必要なこと。
こちらはまた長くなりますので、別の機会に。
2019年11月25日 20:51