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赤字物件

大体どこの会社でもある赤字物件。
お客様から「ここは金額やすいけど他で埋め合わせするから」とか「物件数がたくさんあるから」とか頼まれるのはこの業界のあるあるですね。
そしてこれもあるあるなのが、他で埋め合わせされることなど無いということ。
さらに赤字物件がたくさんあっても要らないですよね。
ちゃんとした会社ならそんな物件は断るのです。



 

さらにさらに良くある話ですが、

赤字だけどスタッフさんの給料を払う為に赤字と分かっていても受注する会社。
そんな会社が安い仕事を受けてしまうから単価が下がっていくのです。
安く受けた単価はベースになり、次から頼まれる仕事は安い単価に統一されてしまいます。
赤字の物件を受注することは毒まんじゅうを食べているのと一緒で、長期的にそれを続ければ企業の健康度(利益率)に悪影響が出てきます。
とりあえずキャッシュを回す為に、一時的に受注されることは致し方ないと思いますが、早めに根本的な対策を打つ必要があります。



 

利益とは

税引後利益のことで、次期に繰り越せる金額のことを利益というのです。
いくら粗利が出てても販売管理費がそれ以上だと赤字です。
昔、尊敬する大企業の経営者から言われたことがあります。


「企業の売り上げは市場シェア、利益は企業の健康度を表す」



と。
つまり利益が出ない状態というのは、人間でいう病気な状態なんですね。
企業は人間と違って先天的な病気の要素はありませんから、病気になるのは生活習慣。
原因があって結果があるように、その原因を正していく必要があります。
赤字物件は病気の原因となるウイルスのようなもの。
健康な状態であれば耐性もあって大きな影響は出ませんが、弱った状態だと大きな影響が出てしまいます。
そしてその毒まんじゅうはだいたい会社が苦しくて弱った時に食べてしまっているのです。



 

経営が苦しい時は

なんとか目先のキャッシュを稼ぐ為に赤字の物件でも取って売上を稼ごうとします。
病人に鞭打って働かせても無理なのです。
少し休んだ方がいいのです。
経営が苦しい時は、まずキャッシュの外部流失を防ぐこと。
実は赤字で苦しいのではなく、キャッシュがなくなってしんどいのです。
意外にも倒産した企業のうち赤字の会社は52.2%(2018年東京商工リサーチ調べ)でした。
47.8%は黒字倒産ということです。
利益とキャッシュフローは別物ですから、キャッシュフロー管理ができていない会社は黒字倒産する訳です。
逆にキャッシュフローが回っていれば赤字でも倒産はありえません。(手形を振出さなければ倒産しないという現実はありますが。。。)

コストダウンはもちろんのことですが、金融機関からの借り入れがあればリスケして1年ぐらい利息のみに契約変更してもらうだけでキャッシュが内部留保でき楽になります。
リスクする時は金融機関の担当者からは大変なことになりますよと散々脅されでしょう。
しかし大変なのは返済がなくなって困るのは金融機関であり、リスク期間中の金利が高くなるのと新規融資ができなくなるくらい。
決算書から金利を計算しない限りリスケしていることは外部の人間にはわかりません。
新規融資で回していくのも一つの手ですが、借入金額が膨らんでいくだけで、苦しい時は新規融資も苦しいですから早めのリスケをお勧めします。
ネットを見ると色んなリスケするようなコンサルが出てきますが、そういったものは高額な手数料を取られるだけで余計に苦しくなるのでお勧めしません。
どうしてもしんどいという方は改善のフォローもさせて頂きますのでご相談下さい。



 

それと合わせて

赤字物件や利益率の低い物件を切り捨てて毒まんじゅうの毒を抜きます。
目に見えない経費(手間がかかるかかからないか)まで計算した上で切り捨てます。
売上が減るとそれに伴う経費も減ります。
経費が減ると運転資金(毎月の建て替え)が少なくていいので、必要なキャッシュが少なくて済みます。
そして利益率が上がるので健康度が上がります。



単価が下がりきった現代では気がついていない目に見えない赤字物件は多くあると思います。
それらを整理していくことで健康的な経営ができ、経営者も精神的に楽な経営ができるようになっていきます。
どこかの段階で販売管理費まで含めた物件ごとの収支を確認されてみてはいかがでしょうか?
結局は税金を払った後に残るお金のキャッシュフローが重要なのです。

2020年02月24日 10:00