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人事を尽くす

仕事で常にこれをやり続けるのは本当に大変なこと。
しかし人生を左右するような入試や就職試験、会社の運命を左右するような商談など、そういった時にはあらゆるリスクを考慮して、事前にできることは全てやっておくことが人事を尽くすということだと思っています。

以前、子供が大学受験で隣の県に受験に行く前の日に自宅にいたので怒ったことがあります。
特待生の推薦試験で受験さえすればほぼ合格という高校3年間努力で勝ち取った権利。
しかし大地震でも起きて、高速道路が事故で通行止め、災害でJRが不通となった場合どうするかというシュミレーションができていませんでした。
高速道路が通行止めになれば、そこまで行ける道は大渋滞して時間が計算できず、JRも乗れないか動いていないか。
それによって3年間の努力はなかったことになる可能性だってあるのです。
前日に移動していればそんなことがあっても、最悪歩いてでも大学まで向かうことができます。
結局夜遅くホテルを予約して、新幹線で移動し大学近くのホテルに泊まらせました。
その上で何もなければそれでいいのです。



 

これが企業だとどうでしょう?

会社の運命を決める打ち合わせなどがある場合、必ず同じような行動をとります。
台風で新幹線が動くかどうか微妙なら迷わず先に移動します。
普段から飛行機が飛ばない、雪で新幹線が止まった、寝坊するかもというリスクを考慮して、午前中には予定を入れることはほとんどありませんし、お昼前後の打ち合わせがある場合でも、離れているところであればなるべく全泊することにしています。
以前台風の関係で打ち合わせを予定していたことを、当日に延期と連絡を受けたことがありました。
私は台風が来るのが分かっていたので、もちろん前日に移動していましたが、先方は当日移動で移動ができないと。
うちの会社に提案があるから人を紹介したいと言われ時間をとったのですが、そんなこと言われたらもう2度と会いたくなくなります。
台風がその日に来るのは既に分かっていたことなので、終電でも移動しておけば問題はなかった訳で、移動できないのであれば、前日に日程変更の連絡します。
台風で移動できないことは仕方ないことですので、早めに連絡すればこちらも予定を入れられます。
当日に連絡してくること自体が非常識としか思えない。
人の人件費をいくらで見ているのか。。。
連絡ミスで作業中止なんてこともありますが、それで作業する人に今日は無しだからと帰らせる人がいます。
その人たちの1日分の収入はどうするのでしょう?
常識的な会社なら、日当の補填をしています。
仕事がなくなったからといって、急に他の仕事をすることはできませんから、そちらの方が常識的な行動です。
人の時間を大切にできない人とは仕事はしたくありませんね。


1分でも遅れたら会わないと言われる方もいらっしゃいます。

そういった人に限って、だいたい仕事のできる忙しい方でアポが取れない重要人物なのです。
都内でも初めていくところだと30分くらい前に到着していくこともあります。
当然のことで、人の時間を無駄にしておいてそれはないだろうと。



 

商談で言えばプレゼンの準備

いわゆる練習プレゼンですね。
これをやらないと何分のプレゼンか分かりませんので、お客様から見ると終わりの見えないプレゼンになってしまいます。
なので最初に大体何分くらいプレゼンを聞いて下さいというところから始めます。
今回のクリーンEXPOのセミナーの練習では10回以上やって、その都度中身も濃いものにしていきました。
もちろん前日にケーブル類や音量の確認だけでなく、iPadがダメだった場合に備え、iPhoneでプレゼンできるようバックアップの確認をしたりという打ち合わせを現地で音響さんと30分くらいやりました。
実際に今回もそれをやっていなかったら当日音が出ないなど大変なことになっていたのです。
100数十名の方が全国から来られるので、スクリーンに何も映りません、音も出ませんでは済まされません。
それでも緊張したのと、熱くなって色々喋ったことで時間を2分押してしまいました。
押したのは2分ですが、そこに持っていく為に途中をかなり端折っていて、その部分の内容は薄くなっています。
つまり十分なパフォーマンスが出し切れていないのです。
それでも多くのお問い合わせを頂いているのでありがたいことではあるのですが。



 

例えば会社のリスク

例えば重要なデータはクラウド保管はもちろんのこと、オフラインで東と西で保管をしたりしています。
東日本大震災の時に節電で東日本は電力規制がかかり、東日本の工場は稼働に制限がかかりました。
しかしちゃんとしたメーカーさんはそういった時のバックアップとして、東と西に工場を持っていて、少し納期はかかっても対応できるようにしているのです。
当社でも、何かあった場合は本社を移転してでも事業を継続できるような体制にしています。
nano+の製品供給が止まってしまうと、他のもので代替えしなければならなくなりますが、現場の利益率は変わってしまい、ユーザーさんに迷惑をかけてしまいます。
お客様から「nano+なくなると困るからよろしく頼むよ」と言われることもあるので、そういったリスク対策は常に考えています。
そこまでしなくてもと思われるかもしれませんが、やはり製品を供給するということの責任は大きいと思いますので。



 

現場でも

現場調査なくいきなり現場で作業される方がこの業界にはいらっしゃいます。
元請けさんから観にいくのが難しいのよと。
何度もお客様のところにいくのもバツが悪いのだと思いますが、見たことのない現場をやるとそりゃうまくいくものもうまくいきません。
間に2社くらい入ってしまうとよくある話です。
せめてスマホの写真や動画くらいは欲しいものです。
そんな状態では十分な準備もできず、利益なんて出るはずもなく、ややもすれば手抜きになってしまい要らぬクレームをもらってしまうことも。
だから「現場を見れないのなら準備できないのでできません」というのが一番正しい回答ですね。
お客様に「最大限の結果を出したいので再度現場を見させて下さい」と一言言って現場を確認させてもらえば、逆にここの会社はしっかりしているなと思ってもらえるのです。



 

道具の積み忘れ対策

道具の積み忘れなんかもありますが、その対策として全ての道具を積んでおけばいいという人もいます。
そんなことをしたら積み下ろしは大変になり、燃費も悪くなりますね。
その対策は現場のシュミレーション。
頭の中で準備するところから作業の一つ一つ、片付けまで一連の流れをイメージするのです。
それをしながら道具を積み込むと忘れ物は出ません。
むしろそれをせずに現場作業をなんとなくやっている方が杜撰だったり。



 

1回の失敗は

我々施工会社から見ればたくさんあるうちの1回の失敗。
しかしお客様から見れば、1/1で全て失敗なのです。
打率10割の失敗と見られるのです。
ドクターXをよく観ますが、医療の業界では1回の失敗で患者さんは命が左右される。
しかし場合によっては我々の仕事でも1回の失敗が会社の存続を左右することだってあるのです。



 

全てのリスクに備えることは

コストがかかることです。
リスクなんていくらでもありますので。
なのでリスクをリストアップして致命的なリスクから順番に対処していく必要があり、そこまでやるとコストがかかるというリスクには、そのリスクが軽微で起こる確率が低ければ、起こった時にどう対処するかを決めておきます。



 

そこまでしなくても

と言われる方がいらっしゃいますが、たったそれだけの差が会社の命運を分けるのです。
お客様の立場から見るとどちらを選ぶかなんて誰でも分かること。
現場での手抜きではなく、現場に入る前の手抜きになってしまいますから。

なので、現場に入る前に不安なことがある場合は、必ずクリアにしてから入りましょう。
分からないことや不安なことはご相談下さい。
ドクターXの大門未知子は人事を尽くしているから失敗をしません。
「私、失敗しないので」と言えるよう経営も営業も現場も準備しましょう。
2020年02月27日 10:00