オンラインサロンの記事公開します。 次亜塩素酸水のNITE調査についての見解
昨日オンラインサロンのアップした記事ではありますが、多くの人に共有した方がいいという声もありましたので、一部編集して公開致します。先日発表された次亜塩素酸水に関するNITE調査についての見解と対策についてまとめました。
様々なメーカーや販売店から「うちのは大丈夫!」と発表される中、医学界からの意見も出初めています。
NITE調査は、化学的にも医学的にも現場での運用についても、様々な面から判断されています。
ここで重要なのは、メーカーの情報は化学的な立場からの情報であり、化学的・医学的・経営的な面から判断が必要だということです。
◯次亜塩素酸水の効果
電気分解式は論外で、次亜塩素酸ソーダナトリウムに炭酸を混ぜたり、塩酸などを混ぜて酸性域にすることで、強酸化により除菌やウイルスの不活性化を行うもの。(ワックスに使うとカチコチになって、脆くなり、剥離できなくなります)
200ppmを希釈して使用すると安定しないので、50ppmを原液で使用することが多い。
電気分解式だけは食品添加物。
◯NITE調査の主な問題点のまとめ
・製造方法、液性、濃度、製造日、使用可能期間、使用期間の濃度の低下について記載がないものが多かった
・直接噴霧以外の空間噴霧は効果が見られない
・空間噴霧は目や皮膚、呼吸器系、消化器系に影響が生じる可能性がある
◯現場で発生する問題点
・効果のある濃度、量、時間が担保されているかどうかの確認が、使用されている現場ごとに取れていない
・ウイルスに効果があっても、汚染物質が除去できないので、菌の繁殖は抑えられず、次亜水で拭いたからと慢心して、他の感染症にかかるリスクがある
・空間噴霧を推奨し、体調不良者が出た時に、呼吸器内科などの医師から指摘が入るとそれの覆すだけの医学的証明ができない
→実際にやったことがありますが、呼吸器系が弱い自分は寒気が悪いところでこれをやるとかなりきついです
・強酸化物質であり、経口毒性から判断しても人体への影響がないというには無理があると思われます
→他の消毒液に比べて安全であることは明白ですが、消毒液を空間噴霧することはないと思うので。
・スプレーするだけでは、不活性化ができないので、浸して洗う必要がある。新型コロナウイルスは0.1ミクロンしかないので、0.1ミクロン単位まで均等に噴霧すると浸して洗う状態になる
・汚れの中にあるウイルスは不活性化しない
・消毒作業をしている清掃会社があるが、十分な知識もなく作業をしているので、逆に感染拡大の原因になる
→ある程度専門知識を持つ医師や看護師でも院内感染を引き起こしており、感染症専門病棟や自衛隊のような特殊な訓練が必要。
・中途半端な知識の人が中途半端に使用をすることで、ウイルスの変異や耐性菌の発生をまねく恐れがあり、既存の消毒液や抗生物質が効かなくなると医療行為ができなくなる懸念がある
などなど、丁寧な営業をされる会社は、販売時のこういったことを説明して、販売されていると思いますが、プロの清掃会社でも決まったことを決まった通りにできていないのに、お客さんができるはずもないのです。
◯これらも踏まえて
現場でお客さんに事故や感染を起こさせないよう、正しく説明して販売や使用方法の指導、管理する仕組みを作る必要があります。
・製造方法などなどはもちろん明記が必要
・空間噴霧は効果が医学的に証明されておらず、結果が保証できず、健康被害に対しても事業としてのリスクが高い
・現場で感染防止ができる正しいオペーレーションと仕組みを確立する必要がある
→アルコールはそれがやりやすいから使用されており、当社の現場でもお客さんにはアルコールしか使わせません。
病院でも次亜塩素酸水をい使う病院はほとんど見ませんね
必ずスプレーボトルは1日で使い切るなどのルールづくり
・新型コロナウイルスに限っては、長い素材の金属表面でも72時間で不活性化するので、感染者が出た場合には建物を閉鎖し、72時間後に清掃作業に入れば安全であることをお客さんに理解して頂く(すぐに消毒作業を行うことの方がリスクは高い)
→消毒作業は必要はなく(ただし対外的なことを考えて、意味はなくても実施する必要性を協議)、洗浄作業を行う。
・ロスナイがない建物では、窓を少し開けて常時換気を行う(全開にするとエアコンが効かない)
・風速計で換気量の計算を行う
→(換気扇の吸い込み口の面積)×(風速m/秒)×60×60=1時間あたりの換気できる容積
建築設備の点検で実施する計算方法で、ビル管理法では1人あたり30㎥/h必要とされており、厚生労働省もこれを換気が悪くない状態と推奨しており、これに合うように窓をあけたりして調整する必要があります。
メーカーの出す情報はほとんどがケミカルを作る側としての、1方向の情報でしかありません。
医学的な問題や現場で起こる問題など、様々な方向から物事を判断する必要があります。
しかしお客さんと接する我々はそれでは済まされないので、現場での結果まで保証してあげる必要があり、それが信用につながっていきます。
情報が拡がるのが早い世の中なので、メーカーに言われた情報をそのまま受け取らず、正しい情報を収集して運用していきましょう。
2020年06月05日 14:11