得意先ポートフォリオの話3/4
ポートフォリオのお話3回目です.
ポートフォリオを作成する上で,不可抗力でどうしようもないことがあります.
得意先1社だけがやたらと急成長するので
どうやっても他の業種の売上を伸ばしてもバランスが取れない
昔,某大手管理会社さんのお手伝い(営業と清掃部門を兼任)をしていた頃,親会社のショッピングセンターができる度に,売上が1億,2億と上がっていきました.
しかし親会社の仕事だけでは上場するのに価値がないので,親会社以外の外部の物件を最低でも20%は取って来い!という営業部長の指示.
不可能です.....
広島のような山に囲まれ,町中の半分近くは河が流れている土地が少ない地域.
マンションはたくさんあっても大きな金額にならないし,大きな建物があっても,親会社が競合するショッピングセンターや食品スーパー.
2000万の仕事なんて,そこらじゅうにないのに,どんどん新店ができていく.
マーケットにその対策がない場合もあります.
つまり努力ではどうにもならないやつですね.
まぁ,これはごく一部でそういった大きな会社の仕事をされている会社に限定されてしまいますが,それ以外の会社で1社あたりの売上構成比率が高い会社にも同様のことと言えます.
これは良くある話なのです.
いい仕事をするから,信頼を得て決まった会社からばかり仕事を頼まれてしまう.
その方が仕事を請ける側も楽なのでそうなってしまいがちなのです.
この場合の対策ですが,
絶対にその顧客が倒産しない保証もなく,また自社のスタッフが現場で事件を起こすことによって取引が完全に停止する可能性も踏まえ,
・その場合に備えてそれでも対応できるキャッシュを積み立てておくこと
・必要なくても資金調達をしておくこと(悪くなってからでは借りられないので,良い時に借りておく)
・その顧客の利益をあてにしない予算立てにしてしまう(人件費以外の経費をあまり拡張しない)
→なくなっても会社は維持できるようにしておくことで,リスクを低く抑えることができます.
1社の売上だけで成り立っている会社は,運営は非常に楽です.
しかしほとんど子会社のようなものなのに,資本が入っていないので,何かあっても助けてくれることはありません.
事故やクレームなどは企業努力で発生を予防することはできます.
でも顧客の倒産や事件の発生を抑えることは難しいのです.
わかっていても防止できない問題は,外部ではなく,内部で調整していくしかないのです.
その④に続きます.