ワックスの密着率
前回が重ため(特にオンラインサロンの記事は重かった)だったので,今回は少しライトな感じです.先日ユーザーさんと話をしていて出た話題.
「ワックスの密着率とは何ぞや?」
読んで字のごとく,どのくらいひっついているかってことです.
ワックスって上に載っているだけでなく,ひっついているのです.
で,どのくらい密着しているかで耐久性が決まります.
被膜の硬さで耐久性が決まると思いがちですが,必ずしもそうではありません.
立面や下地が金属のような車のボディなら別ですが,ワックスを塗るPタイルや長尺シートなどはいわゆる弾性床と言われます.
つまりは弾性があり,柔らかい床材なのです.
そうなると床は人の歩行によって絶えず,凹んだり戻ったりするので,それに追従していかなければなりません.
事務所の中の椅子の下
が黒くなっていませんか?
洗っても洗っても取りきれなくて困ることありますね.
あれはワックスが酸化して硬くなり,椅子のように単位荷重が高いものによってワックス被膜が凹んだ時に追従しきれず割れてしまい,そこに汚れが入って黒くなっているのです.
ワックスには柔軟性が必要なのです.
硬いだけだと追従できませんね.
ワックスは層になっています
床材や上に塗ったワックス同士の密着悪いと塗装のようにバリバリ剥がれてしまいます.
密着は0か100ではありません.
そして,場所により異なりますし,ワックスメーカーさんの技術も進んでいるので,そう簡単に目に見えてバリバリいきませんが,厳密にいうとほとんどの現場で密着率は30%も出せていないのです.
よく「スカッフが入っている」なんていうことがありますが,スカッフは簡単にワックスが持っていかれた傷ですから,入ること自体恥ずかしいことなのです.
下に違うワックスがある場合
傷が入る時にえぐられて,密着率の低い下のワックスごと持っていかれることがあります.
100%の密着率を出そうとすると,一度既存ワックスを全て剥離した方が賢明です.
しかしそれにはコストがかかるので,洗浄してUAフィニッシュLを塗って管理することで少しずつ減膜していきます.
密着率が100%出なくても,密着率の改善が毎回の洗浄によって改善されていきます.
多機能還元水の還元洗浄は下地ワックスの還元によって柔軟性が戻るというのが最大のポイント.
他の還元洗剤も同じようなことを謳っていますが,下地まで還元できている洗剤はありません.
それは還元洗浄の仕組みが違うから不可能なのです.
作業の図解やコラムは
その密着率を100に近づける為に必要な教科書.
きちんと学んで理解すればするほど,耐久性は上がり,作業時間が減り,収益性は向上します.
その分労働にかける時間が短くなるので,可処分時間を増やすことができるのです.
その時間で勉強する時間を増やす,いわゆる時間の拡大再投資ができ,余暇の時間も増やせます.
結論からするとたったそれだけのことなのです.
無料でそれができるようにしているのに,なぜしない人がいるのかなという不思議に思うこともあります.
2021年03月04日 10:00