予防清掃と言っていた時代
その昔バフマシンを使ったドライメンテナンスは,高速且つ高トルクのプロパンバーニッシャーによってUHS(ウルトラハイスピード)なんて言われた時代がありました.昔よくやった通ってきた道です.
当時は1万㎡なんてドライじゃないと管理できないとも言われた時代でした.
今となってはわざわざバフを一工程入れること自体がハイスピードではなく,清掃すらしない時代にシフトしてきました.
ナノプラスの根本的な考え方は,汚れてから掃除する清掃ではなく,汚れないように清掃するメンテナンスでもなく,汚さないようにすること.
ドライメンテナンスは予防清掃とも言われ,この20年近く経ちますが,それでも未だそれを理解できていない人の方が多いのがこの業界です.
ここではバフマシンが削ったワックスの粉やパッドのカスが空気を汚すという話は,一旦横に置いておきます.
まずはドライメンテナンスの歴史
ここでは海外メーカーのものは除外して日本のメーカーのもので大きく区分けします.
ワックスを削っていたジョンソンのスプリントシステムの時代
ワックスを熱で柔軟にして削りやすくしたユシロのプライム時代
いわゆる熱可塑というやつですね.
これによってバフレスポンスが良くなり,光沢も上がりやすくなりました.
熱でワックスが溶けるなんていう人もいますが,それならバフをかけることでどんな傷でも埋まってしまいますね.
ドライメンテナンスは毎日を綺麗にすることで,定期清掃周期を伸ばそうという時代でした.
少し話はそれますが
汚れにくいを目指したナノコロイド洗剤
この10年くらい流行っていますが,実はもっと昔からあったのです.
高いのでなかなか清掃業界の実用には向きませんでしたが.
しかし汚れないのではなく,あくまで普通の洗剤に比べて汚れにくいだけでした.
ワックスからコーティングへ
この数年は,シリカ系(いわゆるガラスコーティング)や硬化剤入りの2液性のウレタン,10数年前はUV照射のコーティングなどもあり,定期清掃を無くす方向性が,コーティングとドライメンテナンスで2極化していました.
私も一通り経験しました.
そのくらいドライメンテナンスをやりながら,ドライメンテナンスに対しても日常清掃と定期清掃の総合的なコストや空気を汚すことに疑問も持っていました.
しかし剥離が困難であり,剥離ができると謳っているものの10年も経過すると完全剥離は不可能.
剥離できるワックスでも10年経過すれば,剥離するのにはそれなりに難易度が上がります.
酸化による硬化で密着率が下がったり,対薬品性が上がりすぎることから,ワックスを開発する人間から言わせると,2年くらいで剥離することが最適とも言われます.
多機能還元水はそれを伸ばしても大丈夫にする為にあるようなものです.
汚さない時代へ
現代は,汚れないものだけで構成して,汚さずメンテナンスを簡単にする.
しっかりとした被膜を作る.
これによって,定期清掃という概念をなくして,年回数を減らすことが普通のワックス被膜でもできるようになり,被膜の取り扱いがしやすいことから,コーティングのようなリスクや初期投資も,ドライメンテナンスのような機械や車の設備投資も不要になりました.
予防清掃からそもそも汚れなければやらなくても良いという考え方です.
これからの時代は,さらにこの業界の人手不足が進む時代にシフトします.
どれだけ大手企業であっても,無い袖は振れないのと同じで,人がいない限り業務はこなせず,売上も利益も立たない時代になってきます.
「うちは外注に出しているから大丈夫」なんてことをいう会社は多いと思いますが,その外注先に人がいなければ業務遂行は不可能であり,外注する会社すら減っていきます.
ナノプラスをリリースした時から,効率化を言い続けてきましたが,本当に早い段階で効率化を進めていかなければ,私が知り得る情報や未来予測からして厳しい時代になるかと思います.
---ここからはオンラインサロンのみの投稿です---
2021年03月15日 10:00