極限状態でのメンテナンス
前回は制約のある中でのメンテナンスという記事を書きましたが、今回は極限状態でのメンテナンス話。わたしはモータースポーツが好きなので、F1やスーパーGTなどをよく観ますが、300kmものスピードで走っていく車のレースは極限状態と言えるでしょう。
ある程度レギュレーションというルールがある中で、様々な開発が行われていきます。
いずれのレースで走っている車もダウンフォース(車を下に抑えつける力)を空気の流れによってコントロールしていて、F1マシンだと193km/h以上なら天井を逆さで走行できると言われています。(実際にはそんな道はありませんが・・・)
これは車体の周りの空気の流れをコントロールすることでそういった仕組みになっていますが、逆にうまく空気を流して抵抗を減らしてスピードを上げるということもされており、そういった研究は市販車に近い形のスーパーGTでもよく考えられており、それは市販車の燃費向上対策に応用されているのです。
わたしが普段乗っている車もそういった技術を使っていますが、作業車にもそれを応用しています。
特に作業車はワンボックスで空気抵抗が大きいので、その対策でかなり改善が見られます。
年間で見れば作業車のガソリン代もかなりのものでしょうから、要望があるようならそういった燃費対策のページを作ってみようかなとも思っています。
車の話は置いておいて
現場の仕事でも、営業でも、経営でも極限状態に追い詰めないと進化しないことが多いのです。
制約のあるメンテナンスでは条件に制約がある中でやるものですが、極限状態というのは制約やこれまでの常識を無くして挑まないとできないようなものですね。
大企業の経営でもそうですが、昨年対比105%くらいの数字を出すのがほとんどで、それは従来やっていることの延長線上でしかありません。
しかし昨年対比250%という数字を提示されたらどうでしょう?
今までと同じことをやっていては到底達成できないのです。
嘘のような話ですが、これは実際に東証一部上場企業で複数あった話なのです。
普段1,000㎡くらいの現場をやっている会社が、急に10,000㎡くらいの現場をやるようなものです。
普通の人の感覚は、1,000㎡×10日と見るのですが、それでは進歩しないので、2,500㎡×4日くらいから組み立てます。
つまりは普段の2.5倍の面積をこなせということです。
人を増やしたり、機械を大型化したり、それだけではなかなかできないのです。
細かい部分の無駄を省いたり、事前の打ち合わせをしっかりしたり、1,000㎡くらいでは出なかったやることがたくさん必要になってきます。
そしてそれができるようになると、普段の1,000㎡は効率が上がっているので400㎡くらいしか時間がかからないようになります。
そしてあれだけのことをやったのだからという自信と、1,000㎡しかないんだという安心感がついてきます。
毎日この極限状態をやるのはしんどいことです。
しかし月にひと現場くらいはこのような現場があると成長速度は上がります。
筋トレの様に負荷をかけないといつまで経ってもぬるま湯のままでは成長はありません。
成長がないということは年齢とともに体力は落ちていくので、退化していると言え、現状維持ができてトントン、それ以上に学んだり考えたりして成長していかないと、同じ様には継続できないのです。
根源的な話になりますが、人間は何の為に生まれてきているのかという話。
一言で言えば、いろんな魂の経験をする為であることは調べればすぐにわかる時代になってきました。
これといって何もせず、毎日時間を浪費して過ごす人には良い経験ができません。
だからこそ人は非日常を求めて旅をするのです。
ただの旅行でもいいですけど、あそこで仕事をしている人の作業を見てみたいと訪問することもあるかもしれません。
実際にうちの現場にも見学に来られる人もいらっしゃいます。
ひどい時にはよそのメーカーが勝手に見学に来たなんてこともありましたが。。。
普段の日常ばかりでは、出てくる結果も日常と変わりがないのです。
毎日をそれをやるのは不可能ですが、たまには日常から飛び出てみるのも良いかもしれませんよ。
それにナノプラスのユーザーさんは良い方が多いですから、元請けさんや建物との関係などがなければ、同じナノプラスを使う人であれば見学してもいいよと言ってくれるかもしれませんね、
2021年11月15日 10:00