アーカイブ スーパーの惣菜売場のマットの危険性とコスト削減
2019年1月30日の記事のアーカイブです。元記事はこちら。
仕事柄スーパーに行くと床に目が行きますが、惣菜売場に油対策でマットを置かれるところが多いですね。
しかしそれは非常に不衛生であり、日々メンテナンスするという前提では無い方が良いのです。
↓ここから過去記事
先日お客様のところで話題に出た食品スーパーでの油汚れについての話。
がんばって毎日洗浄機をかけても油汚れがなかなか手強いというご相談。
惣菜加工室からどんどん油が出てくるので仕方ないと諦めがちですが、実はそうではないことが多いのですね。
⬆︎写真のスーパーさん(ご相談頂いたお客様の管理物件ではありません)
ここの写真は割と綺麗ではありますが、油汚れの原因は惣菜加工室から出てきた油がマットに蓄積して酸化し取れにくくなったもの。
ひどいのになるともはや粘り気があったりします。
マットが油を吸着しますが、そのマットの油を洗うことはしないでしょうから、短く見ても交換周期の2週間はそのまんま。
非常に雑菌が繁殖しやすい環境で衛生的に危険!です
買い物にいらっしゃるお客様はその菌まみれの取れにくくなった油汚れを含むマットを踏んでから店内を歩かれてレジを通過して外に出られますから、店内は菌に汚染された油が拡散されてしまいます。
その拡散された油はまた菌の餌となり、菌の繁殖を手助けしてしまうのですね。
マットがあると・・・
まず洗浄機をかけるのが大変です。
マットに合わせて洗浄機を直角に曲げるのは大変です。
隅は当たりませんし。
私が常駐現場の管理を始めたての時は、先に隅に中性洗剤を塗ってモップで擦ってスクイジーでかき出したのを洗浄機で吸っていました。
正直面倒でした。
酸化して蓄積した油汚れ
1日しか経っていない1日分の油汚れは簡単に洗浄機で取れてしまいます。
多機能還元水なら2000倍希釈でも余裕です。
しかし日数が経過して酸化し蓄積した油汚れの量が増えていくと洗浄機1パスで除去するのはしんどくなります。
油に対しての洗浄液の量・反応時間・パッドの擦る回数が足りないからですね。
こういう場合はダブルスクラブを行います。
ダブルスクラブとは、スクイジーを上げて吸わずにパッドだけ降ろして洗浄を行った後、さらに洗浄しながら汚水回収をしてやることです。
たっぷりな洗浄液の量があり、2回通るので、汚れの量を多く取ることができます。
その場合洗浄液の量を多くするのがオススメです。
といいますか、洗浄機の洗浄液の量は常に最大が正しい使用方法です。(汚れの多い場所)
給排水が面倒だと減らす人がいますが、汚れが全て回収できず蓄積する原因になります。
本来はモップで還元水を塗ってから洗うというのがベーシックではありますが、モップとバケツの準備が面倒なので、洗浄機1台で1人の作業でこれに替えてしまいます。
痛みや汚れのひどい箇所に有効なテクニックです。
UAフィニッシュLやUAコーティングだと一般的なワックスと違い油に侵食されませんので、ダブルスクラブすれば綺麗な被膜が出てきます。
汚れが乗ると曇って見えるので、ワックスが傷んでいるのかなと思いがちですが、油の影響を受けないので大丈夫です。
※ただし土砂と一緒に押し込まれた場合は、nano+クリーナーも添加して塗り洗いしないといけなくなります。
基本中の基本ですが・・・
建物全てを同じように清掃してはいけません!
かならず汚れや傷みによって、清掃頻度と清掃スピード、洗浄液の量を変えて下さい。
全て同じように清掃すると汚れの少ないところは綺麗で、汚れの多いところは汚くなってしまい、汚いところが強調されます。
清掃の美観は減点方式でお客様に評価されることが多いですから、綺麗なところと汚いところの差が大きければ大きいほど汚いところが汚く見えてしまいます。
極端な話ですが、食品スーパーで洗浄機が必要なのは、
・水のあるところ(入口周りの雨の持ち込み、水産売場)
・油のあるところ(精肉売場の出入口、惣菜売場周り)
・ダスターで土砂が取れないところ(入口周り、バックヤード出入口、青果の野菜から土が落ちるところ)
といったところで、それ以外ではトレールモップでのウェットダスターで全て事が済みます。
せいぜい週1回洗浄機をかけていれば十分ですので、ローテーションしていけば洗浄機が必要な面積は半分程度でしょうか。
つまりその半分削減できた時間を汚れの多い場所をゆっくり目に洗浄機をかけたり、ダブルスクラブしたりしていけば全体的なバランスが取れるようになります。
当たり前のことではありますが、この当たり前が現場ではできていないことが多くあり、これだけで現場が改善されることはよくあります。
私の仕事は
建物の清掃における無駄なコストの削減=「コストと美観の最適化」だと思っております。
nano+の商品はそれを解決する為の手段でしかありません。
上記の惣菜売場のマットはコストがかかり不衛生で全くの無駄でしかありません。
しかも面積を考えると結構なコストがかかっていますね。
もし私がマットを貼るなら、惣菜加工室の出口(加工室の中)に使い捨て専用のマットを貼り、毎日交換します。
毎日交換しても惣菜売場の壁面に沿って貼っているマットのコストと比べると安いものです。
そしてバックヤードは洗浄機で洗いやすいようマットは敷かず、必ず毎日洗浄機をかけます。
1日1回洗浄機をかけていれば十分に対応できる汚れの量です。
私もこれまで関わってきた食品スーパーの店長にこれを説明するとほとんどマットを撤去頂けました。
むしろコストが下がると喜んで頂いて。
しかも日常清掃はすごく楽になります。
コストが下がって綺麗になるのですから誰も損をしていませんね。
マットの裏技
定期清掃をやりたくない場所をマットで隠す。
昔やっていたのはGMS(総合スーパーの屋上駐車場に出る風除室)
道具をスロープでもって上がらないといけない面倒な箇所。
5,000円/月ぐらいかかりましたが、4週に1回交換分のコストをお客様からは費用を頂かず定期清掃費の中でやりくりしていました。
狭いと手間ですし、道具の準備片付けだけでも無駄に時間を喰ってしまいます。
マットに変えることでワックス管理をやめるという割り切りですね。
日常清掃もアップライトだけでいいですし。
サポートが必要な方は無償で対応します
今回は惣菜売場の油の管理の件でお客様からご相談を受けましたが、現場でのお困りごとについては、お問い合わせフォームもしくはメールで連絡頂けましたら、nano+をお使いのお客様は無償でサポートさせて頂きますので、いつでもご連絡下さい。
作業自体でお悩みの方は、動画をお送り頂くか、youtubeにアップ頂きリンクをご連絡頂けると赤ペン先生させて頂き返信させて頂いております。
通路1本分をスマートフォンで撮影頂ければ十分です。
nano+を使っていても最初から100点が出ることはありません。
深めれば深めるほど利益率は上っていき、他社との差別化は進んでいきます。
↑過去記事ここまで
惣菜加工室から出る油が気になるのであれば、毎日惣菜加工室を洗うことと、その出入口に油取りマット(小さくて良いので使い捨て)を毎日交換することです。
あと出入りする惣菜を乗せるカートのキャスターも綺麗にすることですね。
加工室に洗剤をまいて、その上でコロコロすれば綺麗になります。(すすぎも忘れずに)
綺麗にするのが手間だからマットを敷くという短絡的な対応を取られることが多いですが、前提条件として、
安全であること・衛生的であることは譲ることのできないポイントです。
何をやってもいいのなら、惣菜加工室の床に中性洗剤を希釈したものをまいて揚げ物をすれば良いのです。
転倒事故が起こって大変かもしれませんが、簡単に汚れを防止できます。
ですがそんなことはあってはいけないのです。
手間であってもやるべきことはやる、守るべきものは守るということなのです。