法人化の質問②
前回から引き続き、今回はお金に関わる話です。お金の面で言えば、決算時に税理士さんに20〜30万円程度決算書作成費がかかると言われますね。
わたしは最初から自分でやっているので近年の相場はわかりませんが、最近は会計ソフトfreeeのように誰でも簡単に会計ができ、決算納税も簡単になっています。
税制や社会保険料(個人事業主向けの社保もあります)なども考慮すれば、法人の方が有利ですし、資金調達や取引先の口座開設の面から見ても法人の方が有利ですね。
それなりのお金はかかりますが、それ以上にお得な部分も多いというのが個人的な感覚です。
特に取引先の口座開設と大きなポイントです。
それだけ大きな会社と取引ができれば大きな売上だったり、中間に会社が入らないのでそれだけ利益率も高くなります。
会社の運命を大きく分ける部分が年数十万円で変わると思えば高くないと思います。
株式会社と合同会社
法律上では大きな違いはありません。
上記で述べた口座開設の時に合同会社は馴染みが薄いので敬遠されることが稀にあるということくらいでしょうか。
個人のお客さんが多い会社であれば合同会社でも問題ないと思いますが、法人の取引先だと「なぜわざわざ合同会社にしたのか」という話になりますから。
大昔に別の事業で、合同会社と同じ時期にできた制度で、有限責任事業組合(LLP)というのを設立したことがありましたが、なかなか事業を進めるのが大変だったことがあります。
合同会社と株式会社では設立に10万円ちょっとしか変わりませんから、長く事業を続けると思えば株式会社にしておくのが無難かもしれませんね。
起業する時の10万円は痛いですが、1年で考えたら月に8333円のことですし、個人事業からの法人成りのように後から株式会社に変更もできませんので、無難な方を選んでおいた方が良いかもしれません。(裏技がない訳ではないのですが…)
法人成りと法人の新規設立
個人事業から法人になることを法人成りと言います。
個人事業を廃業して法人を新たに設立することを法人の新規設立と言います。
同じような話なのですけど、まったく意味合いが違います。
個人事業を10年やっていたとしたら、前者は11年目の法人、後者は1年目の法人です。
後者の方を選んで消費税を節税しようとする人もいるのですが、事業は3年以上継続することで信用が大きく変わります。
3年で90%が廃業しますから。
また資金調達面でも3年以上継続している場合には、調達する際の金融商品も変わってきます。(→借りやすくなります)
なので休眠会社を買うなんてこともあったのです。
それぞれ色々な考え方はあると思いますが、こういった考え方もあるということで参考にして頂ければ幸いです。
セミナーではこういったご相談も経験談としてお話ししています。
2023年05月29日 05:55