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洗浄液とパッドとワックスの摩擦抵抗③

前回パッドの回転速度や摩擦抵抗について触れました。
このシリーズも今回が最後で床材やワックス、洗浄液の摩擦抵抗についての話です。


・床材やワックスの摩擦抵抗
前回被膜溶解型の洗剤を使うと被膜が多く反応してそれ自体が滑ります。
これは剥離剤を含め、作業をされたことのある方は自分自身の足が滑るので体感されていると思います。
反応したワックスが滑りの原因になっていますし、床材自体の表面構造による摩擦抵抗値の違いもあります。
10数年前あるメーカーと被膜溶解型の画期的な洗剤を作りましたが、希釈が濃くなれば濃くなるほど完全に洗い切るのがすごく難しいのです。
濃くすれば汚れもワックスもたくさん落とせると思いがちですが、反応した汚れやワックスを擦って落とし、100%に近い回収ができてこそ正しい戦場といえます。
反応した分を除去しきれていなかったり、エンボス床をバキュームや洗浄機でしっかり回収せず、スクイジーとちりとりで回収していると回収率は非常に低くなるのでもう一度水をまいてリンス作業が必要ですね。
被膜溶解型の場合はphの問題からもリンスは必須ですが、そういった経緯もありナノプラスでは残留して問題になる洗浄液を選択しませんでした。
よく落とせてもトータルで決まるものですからバランスが重要なのです。


余談ですが、UAフィニッシュLはphを上げると簡単に除去できるような設計にしていますから、万が一ビルドアップしてしまったら被膜溶解型洗剤でのリセットができるようにしています。
新品のSPPパッドを使ったり、多機能還元水とnano+クリーナーを100倍くらいにするとかなり減膜も可能でその方が扱いやすいので自分自身では被膜溶解型の洗剤を使うことはほとんどありません。
もっと簡単に安全にやろうと思うとリンス作業を間引きたいので、500倍希釈で洗って10分くらい乾かさないよう放置してもう一度洗います。
その際に最初は新品のSPPパッド、2回目は使い古しのSPPパッドの変えることで、大幅に減膜しながらも表面を荒らさないということができます。
2回目の新品にした方がより減膜できるのではと思われがちですが、2回目も新品を使うとUAフィニッシュLが1層で良かったのが2層塗布になり、結果除去してもたくさん塗ることになってしまうのでトータルでは減らせているようで減らせていないのです。
おまけで汚水回収するときに洗浄機のパッドに黄パッドをつけて回しながら回収します。



・洗浄液の摩擦抵抗
昭和のアニメで出てきそうな話ですが、お風呂で石鹸を踏んでこけるなんてのが昔ありました。
実際にボディソープでも結構滑ってしまいますね。
床の塗布した洗剤もワックスを溶かしていなくても体感できていないだけで実は結構滑っているのです。
界面活性剤のあるなしでもかなり変わります。


ちなみに界面活性剤ゼロになると、洗浄液の摩擦抵抗値が変わるので実はパッドが変わります。
量子フロアメンテナンスのセミナーではそういったものも公開していきます。
3回に渡り摩擦抵抗の話をしてきましたが、ポリッシャーだと手で体感できますから普段の作業の際にパッドを色々と変えて体感されてみるとよいかもしれませんね。
2024年02月05日 00:00