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完全密着するワックス②

先日ナノプラスは洗剤分の残留量なども考慮してシステム設計していますというコラムを書きました。
剥離剤を使った場合、ちゃんとウェットバキュームや洗浄機で剥離汚水を回収するのを前提で考えても、多機能還元水1000倍希釈をたっぷり塗って洗浄回収(パッドやモップは綺麗なものに変える)を2回行います。ポリッシャータンク出しだと水の絶対量が少ないですから、リンス率は下がります。
1㎡を50ccでリンスするのと150ccでリンスするのとでは残留量が変わりますね。


あわせてリンス率の話もしましたので復習です。
頑張って回収して90%と仮定しましょう。
剥離剤の希釈は10倍、そこに水を打って洗浄機やポリッシャーから水を出し薄めながら洗浄し、回収する際も洗浄機から水を出しながら回収して回収した剥離剤の希釈は15倍としましょう。
15倍希釈の剥離剤が90%回収されます。
そこに水を塗って回収すれば、15倍→150倍となります。(塗布する水の量にもよります)
最近の剥離剤は溶剤系でphはすこし低めとはいえ、リンスの水を塗った時点では9〜10くらいでしょう。
そこからもう一度リンスして150倍→1500倍でphは7まで落とせます。
多機能還元水1000倍を使うのは回収率を上げる為です。
また多機能還元水1000倍によってphが7にならなくても、残留した多機能還元水1000倍希釈のアルカリがワックスへ悪影響を及ぼしませんから問題ありません。


クエン酸などで中和する手法もありますがこれは非常に悪手です。
アルカリと酸が反応して塩(しおではなく化学用語でえん)ができ、それを除去するのにもう一度リンスする必要があります。
またphも必ず全体が7になりませんから結果もう一度水でリンスする必要があります。
同じ2回リンスするのであれば最初から水の方が良いわけです。
phが酸性に傾いた状態でワックスを塗るとワックスが被膜になりません。
すこし話が逸れますが、剥離汚水や洗浄汚水からワックスのポリマー分などを回収するとともにphを下げる手法として洗浄機やバキュームの汚水タンクにクエン酸を希釈した水を入れておくとそういった成分が固まってネットなどに濾して回収できます。
クエン酸そのものを入れるとガムのように粘って除去が面倒なことになります。
つまりはそういったものですから床面が酸性の状態になるというのはそういうことなのです。


次回へ続きます。
2024年04月29日 00:00