ワックス塗布概論④
前回からの続きです。ここまでくれば条件の悪いと寒い時期に作業することはまったくメリットがないことがわかってきます。
とはいえ、寒い時期にオープンする店舗もないわけではありません。
そんな場合は10分〜20分の間に乾燥させれば良いのですから、トレールワックスモップの特徴を活かした薄塗りをすれば良いのです。
塗布量が少なければ氷点下でもない限り寒い時期でも乾燥します。
ワックス塗布方法もそうですが、ワックスの塗布量のコントロールができることが非常に大切であることがよくわかると思います。
普段から訓練していけば決まった塗布量でワックスを塗布することはできるようになっていきます。
以前300㎡くらいの店舗で塗り込みをした時に1層目と2層目のボトル残量をほぼ同じで塗布したことがあります。
何も考えずに塗るのではなく、塗布量のコントロールができれば面積に対して必要なワックス量がわかります。
洗浄液は150cc~200cc/㎡ですからそこから逆算すれば簡単にケミカルコストを算出することができます。
算出できなければ正しい原価計算ができていないということですから、本来は当たり前のことです。
ただワックスを塗るだけでもおおよその注意点はこれだけあります。
詳細は図解に記してありますが、ただワックスを塗るのとこれらを理解して塗るのとでは結果は別物です。
白いご飯は誰でも炊けますが、白いご飯を美味しく炊くのはなかなか難しいのと同じで、簡単に単純に見えるものほど難しいのです。
前者はただワックスを塗るという1工程で見てしまっていますが、後者は何工程にも分けてワックス塗布というものを認識し作業をしています。
これはダスターでもそうですし、洗浄や汚水回収でもそうです。
また営業や管理、経営においても同じことで仕事のできる人ほどもっと細かい工程を早く処理しているのです。
1流ほど「そこまで細かいことをしなくても良いのに」と思うほど細かくきっちり最適のタイミングで実行できています。
ナノプラスをはじめられた時にこのHPや作業の図解や動画を見られる方は多いですが、その後ナノプラスを使い続けている時にそれを再度見る方は稀です。
でもその再度見る方こそが自分自身の作業とのずれの補正してちゃんと結果を残されているのです。
自己流の方も多い業界ですが、まずはそれら書いてあることをすべてやってみて理解されてから自己流をされた方がよろしいかと思います。
解れば解るほどその自己流にはなっていきません。
現在のナノプラスの作業の理論だったり、作業の方法だったり、わたし自身が色んな現場に行って色んな方の作業を見たり、研究者と議論を交わしながら積み上げていった業界の歴史そのものです。
自分自身のものというよりは業界の知識や技術の積み上げを残していると思っています。
この業界は知識や技術の伝承が業界としてほとんど行われていない業界です。
だからこそ仕事をする会社によってそれは非常に左右されてしまい、本来であればもっと短時間で知識や技術を習得して高いレベルの現場管理を行えるはずなのに業界慣習がそれを阻んでしまっています。
現在この業界にいらっしゃる方は当然のこと、これからこの業界に入られる方の為にもまだまだ知識や技術の研鑽を続けていき、次の世代に渡していきたいと思っています。
ナノプラスを使っていただいている方々はそれを継いでいっていただける方だと信じています。
2024年05月20日 00:00