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洗浄汚水の排水規制③

前回からの続きです。


そして排水に優しいということは素材に対しても優しく素材を変質させるリスクも低くなります。
分かっているが自分でやる分にはよいですが、事業を展開すればするほど、社員さんも外注さんも増えていき、その管理と教育は不可能になっていきます。
ラバータイルやリノリウムに強アルカリ洗剤を使って溶かしたなんて話はよくある話ですが、それを見たことがない人に現場でそれを判断させるのは不可能です。
だからこそ最初から事故が起こらないものだけで組み立てる必要性があるのです。
古民家だと下水道どころか浄化槽すらなく川に直結なんて建物がありますから、仕事をする前に必ず確認が必要です。
トイレが汲み取りなら川に直結している可能性が高いですね。
水道料金の明細に、下水道料金が記載されているか、浄化槽のメンテナンスをされているかなど少し確認すればすぐにわかることです。


本当のプロは環境負荷の低いものでもなんとか落ちない汚れを落としてしまうものです。
よく落ちる洗剤がよく売れるんだとケミカルメーカーはよく言いますが、売れれば良いとか、劇的に汚れが落ちるから良いのではなく、それよりひとつ前にルールがあって「環境負荷が小さい」というものがあります。
今できたわけではありませんし、元々あったのに業界がそれを見ようとしてこなかったことです。


環境負荷の高いものは使っている作業者本人の健康も長期的に害し、結果的に自分自身に跳ね返ってくるのです。
川を汚せば海が汚れ海産物が汚れ、それを食べる人間が汚れます。
土地を汚せば水や野菜が汚れ、同じように人間が汚れます。
自然は循環していますから考えればすぐにわかることですが、仕事だから仕方ない、この仕事はこんなもんだなんていうそれぞれの勝手な思いが人間そのものを汚しているのです。
劇薬だけど汚れが落ちれば良いなんて思っている人の健康寿命は確実に減っていきます。
環境負荷の低いものでメンテナンスし、耐久性や汚れにくさを活かしたメンテナンスで年間作業回数を減らすことができれば健康寿命は伸びていきます。
法律としてのルールは当然クリアすべきことですが、もっと大きな広い意識でそれ以上のルールの中で仕事ができるようになると見えるものも変わってきますし、何よりリスクはどんどん減っていきます。

 
2024年12月12日 00:00