床材やワックスの弾力性①

10年以上前にUV照射するコーティングを塗りました。
当時は無知でしたので、期待に胸を膨らませて作業したものです。
現場はOAフロアの上にピールアップボンド(通常はカーペットを何度も貼って剥がすことのできるボンド)でPタイルが貼ってある特殊な現場です。
通常、土間打ちしレベリングされた上にPタイルが貼られますが、人が歩いたり、椅子に座ったりすることで床材というのはへこんだり元に戻ったりを繰り返します。
ワックスやコーティングはその床材に追従するのですが、ワックスやコーティングの特性にもよるのですが、追従できないと割れてしまいます。
また膜厚が厚くなると追従しにくくなり割れてしまうので、やたらと塗るのはおすすめできませんし、剥離しなければならないほどの膜厚になれば割れやすいわけです。
OAフロアの上にPタイルというのは条件的にはとても厳しく、写真で見てもわかるようにOAフロアの形がPタイルに浮かんでくるレベルでPタイルが凹凸になっていて、極端に割れやすいといえます。
目に見えてひび割れるというのは末期症状で、椅子の下が黒くなっているのは被膜が割れてしまっているからですね。
床材によっても大きな違いがあります。
一般的にPタイルなどは弾性床と言われ弾性があります。
コンポジタイルや長尺シートは弾力性がありますが、近年増えてきたノンワックスタイルはそういったものに比べてかなり硬めです。
その分弾力もないので歩行や椅子で床材がへこむ量も少なくワックスやコーティングが割れるリスクは減り、被膜の耐久性も高くなりますから長期間維持のできるメンテナンスがしやすくなります。
ただノンワックスタイルの場合はワックスは密着しませんから、ノンワックスタイルに密着するものを塗る必要があります。
床材に傷を入れれば密着するなんて話もありますが、タイルの表面積が増えても化学的密着率は変わりませんから根本的な解決になりません。
finish+やUAコーティングであれば、ノンワックスタイルもUVコーティングもガラスコーティング(いずれも全ての種類は試しておりませんので当社のテストの範囲内になります)にも密着しますから、UAコーティングは昔からガラスコーティングの表面保護剤や部分的な補修としても使われてきました。
表面にfinish+なりUAコーティングなり、剥離のできないコーティングの上に塗ってしまえば下地のコーティングへ入る傷を防止でき、傷が入っても表面だけ除去することで綺麗な下地のコーティングが出てくるという仕組みでした。
今回は床材の話でした。
次回は床材の上に塗るワックスやコーティングの柔軟性の話です。
2025年02月10日 00:00