量か?質か?2
前回からの続きです。どれだけ規模を拡大しても大きな部分での経営的な利益率は変わりません。
間接部門がフル稼働した時が最大利益率になるだけで、人を増やした段階で人件費・事務用品代など様々な経費がかかりますから利益率は一旦下がります。
間接部門の場合にはIT化などで社内の仕組みを大きく変えるしかありません。
現場の粗利率が高くなる仕組みを作って規模を拡大しなければ、利益率×現場をこなせる数(金額)が限界となります。
だからこそ最初に質を上げていく必要があり、利益率が高くなるのはどういった業務のどういった形態なのかを見極める必要があるのです。
とはいえ、最初から量をこなさずに質を上げるというのも経験がなければ難しいですから、この業界に長く浸かった人でなければ一度は量をやった上で、質の悪いものを切り捨てていくということが必要になります。
事業であれば1期やれば決算書ができあがりますから、以前のコラムでも書きましたように損益計算書の横に売上に対する比率を%で入れていきます。
また実施した業務についても現場での粗利率に加え付属する業務についても経費を入れて利益率を入れていきます。
その%を見ればやめるべきことはすぐに見えてくると思います。
低い利益率は人や機械、車などの消耗が激しいといえます。
「単価は安いけど量はたくさんあるよ!」
というこの業界の常套文句があります。
利益率の低い物件がたくさんあるなんてただの罰ゲームでしかありません。
そしてこの言葉の後に
「今度儲かる物件回すから!」
というところまでがセットです。
そして安い物件にはトラブルが付きもので、事故やクレーム対応で訪問しないといけなくなた時点で、その物件では1年分の純粋な利益が吹っ飛んでしまいます。
単価が安い物件を大量に取ってくる会社は単価の高い物件を取ってくることはありませんから、その会社から儲かる物件なんてそうそうきません。
あるとすれば原価計算もできずに見積を出したら受注してしまい、現場調査に行ったら思ったより単価が良かったということがたまにあるくらいかもしれません。
次回へ続きます。
2025年11月17日 00:00