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開発者コラム

なぜそうなるのか理解する②

前回アップライトやバキュームの例を出してなぜそうなるのかを理解する話をしました。
今回は現場の作業での話です。
例は色々ありますが、ワックス床にしろカーペットにしろ最初は除塵からはじまります。
あとで回収するのだから除塵なんて無駄な作業だという人も未だにいます。
カーペットなんかだとトラックマウントの強力な力で吸うから関係ないなんていうとんでもないことを言う人もいますね。
それは工程上そうなのですが、なぜそれではいけないか、なぜ最初に除塵しておかなければならないか理解できていないからそういうことになってしまいます。


HPにも記載していますし、これまでも散々説明してきましたが、我々の仕事は冷たい水に汚れやワックスなどを溶かして回収することで綺麗にしています。
どれだけ汚れを落としても回収しなければ汚れはそこに残ってしまうので結果的に綺麗になりません。
作業する時間中に水に溶かすことのできる量は水温によっておおよそ決まっており、それはアイスコーヒーに砂糖を溶かすようなもので、コーヒーでは砂糖は溶けないのでガムシロップを使っていますね。
溶かすことができる量に限りがあり、また溶けていけば行くほど溶けるスピードは遅くなり溶けにくくなります。
最初に除塵をしていないと汚れやワックスを溶かす前に土砂埃が溶けてしまい、肝心な汚れやワックスは落としきれません。
特に冬は水温が低いですから注意が必要です。
そういったこともあってワックス床やセラミックタイルの洗浄の際にポリッシャーや洗浄機から水を出しながら洗浄を行って水を足していくのです。


ポリッシャータンクに洗剤を入れることは基本的にはありません。
洗剤をポリッシャータンクから出す人がいますが、洗浄液の反応時間や洗浄液の量、水の量が足りませんから落とせるものも落とせず、ワックス床ならその先に待っているのは剥離清掃であり、綺麗にしに行っているのではなく汚しに行っている訳で、むしろやらない方が良いということです。
洗剤を塗って洗うにしても、洗剤は濃くなればなるほど洗浄液中の水の量は減っていきます。


1L(1000cc)の洗浄液で見た場合
10倍希釈の洗浄液は水900cc:洗剤100ccです。
50倍希釈の洗浄液は水980:洗剤20です。
80cc違えばかなり変わります。
ナノプラスの洗浄液は500倍希釈ですからかなり水の量が多く洗いやすく回収しやすいのです。


特に多機能還元水はより水に汚れが溶けやすくなる設計になっています。
そこに水を足しながら洗うことでより汚れが溶けやすいようにすると共に希釈を薄くして洗浄液の反応を遅くしそれ以上の反応をあまりしないようにしていきます。
ここまでが理解できている人は洗浄液が床面でどうなっているかしっかりとイメージできている人ですね。
この後洗浄機でパッドを回して水を出しながら回収していくとわずかに反応した被膜も除去でき密着率も洗浄部分の工程では完璧に近くなるので満点と言えます。


③へ続きます。
2024年03月25日 00:00

なぜそうなるのか理解する①

仕事で空調のメンテもやりますが、フィルター清掃は点検もかねて基本毎月のメンテナンスを提案しています。
以前わたしの寝室の空調のフィルターの埃をすこし貯めてみてどのくらい効きが変わるかの実験をやってみましたが、想像をはるかに超えた効きの違いでした。
フィルター全体に薄く埃がついた状態だとかなり効きが悪くなりますね。
業務用エアコンでもそれは同様ですし、効きが悪いですから設定温度も高くしがちで電気代も上がりますね。


エアコンと同様でアップライトやバキュームの紙パックやHEPAフィルターも変えていない人が多くて紙パックが完全に詰まって変える人なんてざらだったりします。
紙パックは基準線まで吸ったら後はものすごく風量も落ちるので床から回収できる効率も落ちます。
回収できないマシンで作業をしても綺麗になりませんが、この業界の問題として1日決まった回数その作業をすれば良いと思っている人も結構多いのが事実です。
また購入時に替えないといけないと教わったから替えているパターンも多いです。
替えることが大切なんではなくて、機械の構造を理解してなぜ替えないといけないのかを理解できているかどうかの方が大切なのです。


機械の関係はよくわからないという声も聞きます。
しかし清掃用の機械のおおまかな構造は非常に簡単です。
バキュームの場合、負圧(吸い込む)を作るバキュームがあり、空気が引っ張られて排気されその途中に紙パックがありその後ろにHEPAフィルターなどの細かいフィルターがあって排気を極力綺麗にしています。
人間に例えればマスクが2重になっていて、表側のたくさんゴミを取るマスクを目詰まりして呼吸が苦しくなる前に交換しましょうというだけの話です。
蓋を開けて説明すればすぐにわかる話なんですが、マシンメーカーも現場管理者も構造でなく使い方しか教えないのです。
大切なのはなぜそうなるかなので、構造から理解した方があとでいろんなことがわかりやすいのです。


長くなるので4回シリーズで進めていきます。
2024年03月21日 00:00

新しい価値観の提供が仕事

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わたしが車好きというのもありますが、自動車業界は参考になりやすく、自動車業界は今オールジャパンに既に変わっています。
自動車メーカーやバイクメーカーがモビリティ業界となって団結していますね。
1人の経営者として、1人の車好きとして、1人のドライバーとして本当にこの人のいる時代に生まれて良かったと思います。
圧倒的世界トップクラスの経営者のこんな素晴らしい話が無料で聴けるなんて贅沢な時代です。
製造業でなくても我々の業界の人に、我々の業界に置き換えて聴いて欲しい話ですので、ぜひ一度YouTubeで観られてみてください。
すこし長い動画ですが非常におすすめの動画です。
こちらから飛べます。


今のメーカーや管理会社、施工会社は今のままで良いのでしょうか?
現場を知らない人間が物を作ったり、現場を知らない人間が現場を管理すると顧客にとって良いことにはなりません。
またその逆も然りで、扱う製品のことを知らない人が管理して仕様を決めたり、現場で使ったりなんてとんでもない話です。


メーカーの仕事は売れるものを作るのではなく新しい価値観の提唱だと思っています。
売れる製品は今売れる製品であって今の価値でしかありません。
お金が必要だから売れるものが正義なのだという時代はすでに終わりました。
我々が顧客に提供していくのは未来の価値です。
わたしはそんな未来の価値を提供できる人達と一緒に仕事をしていきたいと思っていますし、その為には時間や情報の提供は惜しみません。


我々の業界も日本の狭いところで、自社の売り上げがどうのとか狭いところで争っているのだはなく、業界全体でで業界をよくしていきたいというのが2024年の意氣込みです。
これまではナノプラスセミナーとしていましたが、今後はナノプラスをお使いの方以外でも幅広く色んなご相談も受け付けていきますので、お氣軽にご相談くださいね。
2024年03月18日 00:00

カーペットやソファのメンテナンス 3/3

前回から引き続いてカーペットメンテナンスの話です。


色んなことを試しながらもっとも簡単な形に行き着いていますね。
これは多機能還元水があるからできることです。
多機能還元水とは別のものでこれを行うと問題が発生します。
そもそも残留させて良い洗剤なんてあまり業界に存在しないですからね。
残留させても問題なしと書いてあっても問題だらけなものばかりです。


だいたいの人がアルカリ電解水を選択するでしょう。
確かによく落ちると思います。
むしろよく落ちすぎるのです。
カーペットもそうですが、建材も素材によって適度な油分を含んでいます。
ステンレスや鉄も油が塗ってありますね。
アルカリ電解水はカーペットの油分も徹底的に落としてしまうので、カーペットがパサパサになり、逆にその足りない油分を汚れで補給しようとしますから汚れやすいカーペットになっていきます。
1回勝負ならともかく定期メンテナンスで使うものではありません。
多機能還元水と合わせて微量使う場合はあります。


また洗剤は論外なのはわかっていても「カプセル式の洗剤だからあとで汚れない」なんて話もあります。
やってみるとよく分かります。
洗った時のマイクロファイバーのパッドに付着しているものと同じものがカーペットに少なからず残留します。
そのパッドの汚れを落とすのに高圧洗浄機を使うレベルのものです。
カーペットに高圧洗浄機を吹くのでしょうか?
ベタベタになったカーペットをリセットするのは本当に大変です。
ケミカルメーカーの研究レベルだと毎月ハードな使い方を3年やってみてどうかなんてことは普通はしないのです。


自動車業界レースで色んな開発が行われていて、現在は水素で発電するエンジンではなく、普通のガソリンエンジンをすこし改造してガソリンではなく水素を燃やして走るという取り組みをトヨタがこの数年行っています。
市販車ではありえないレベルのかなりの極限状態での検証ですね。
我々の業界でもそのレベルで検証しないとわからないことが多いのです。
少なくともうちの会社ではある程度の極限状態を自社の現場で作り出して検証を行います。


自分の手で自分の現場で使い続けてみないと製品にしても技術にしても見えてこないことは多いのです。
それはレベルが上がれば上がるほど1年ではなく、5年、10年と先が延びていきますから見えにくくなっていきます。
ビルメン出身のメーカーでもその社長が現場に出なくなった途端方向性がずれたり、商品のピントがずれてしまうのはよくあることです。
それだけ現場で検証することは大切なのです。
同じものを見ても見る人の経験値によって得られる情報量は大きくことなり、経験値と知識によってその数年後の結果がどうなるのか見える年数の幅も変わります。


そういったこともあってわたし自身も現場に出ないなら出ないでも現場は回すことは容易いのですが、現場に出続けているのです。
2024年03月14日 00:00

カーペットやソファのメンテナンス 2/3

今回はカーペットのパッドや機械の歴史についてです。


当社でも昔トレールパッドというマイクロファイバーパッドを作っていた時代がありました。
セラミックタイル専用マイクロファイバーパッドという当時前例のなかったパッドですが、もちろんカーペットでも使えていました。
しかしカーペットフロアでのマイクロファイバーパッドは汚れ落ちは良いものの、汚れが目詰まりすると落ちなくなって汚れを広げるだけになり、大量のパッドが必要だったり、洗うにしても洗いにくい、そして絞りにくいので洗濯機がないと使えない、などの問題があり現在はトータルのバランスとコストを考慮して白パッドを標準としています。


白パッドの良いところは
・安い
・洗いやすい
・すぐに水を落とせる
・1mmくらいは汚れを吸い上げる
・両面が使える
といったメリットがありました。
狭い現場なら5枚くらい持っていれば、ひとりがポリッシャーを回してもうひとりは白パッドを洗いにいくこともできますね。


テナントカンパニーにR3という機械があります。
その昔、R3は日本では導入されていませんでしたが、わたしがテナントカンパニーに要請して持って来させたマシンです。
導入時に2ステップ洗浄として、ブラシで先に洗浄しておきあとで回収しながら洗浄というものを作ったりしました。
R3は白パッドで洗うのと同等の仕組みとなっている機械で、カーペットを洗うというよりはカーペットを洗っているローラー(白パッドに相当するもの)を洗っている機械でした。
そしてそのローラーを加工してトレールモップと同じ生地をつけたバージョンも作成しこれはかなり人気でした。
パッドを洗いにいく必要がないですから面積が稼げます。
そしてポリッシャーのように使うのに技術が要らず、誰でも前後に押すだけで使える機械でした。


ただこの機械も良いところばかりではなく、どうしても改善できないところもありました。
・事務所のデスクの中に入らなかった
・前後にしか動けない(ポリッシャーのように自由自在には動けない)
・中途半端に重かった…(40kg超)
・シリンダータイプのマシンなので接地面が線であること
と結局使うのが億劫になり、デスクの下だけポリッシャーで回すのなら全部ポリッシャーで良いではないかということになり、現在の形に落ち着いたのです。


4つめのシリンダータイプについてですが、これはカーペットフロアに限らずハードフロアでも同様のことが言えます。
アップライトもそうですが、1㎠でみればすっと通すとそこはあまり擦れていないのです。
シリンダータイプの方が荷重が集中するという意見もごもっともなのですが、いくら荷重があっても擦れているのがわずかなら汚れは落ちません。
これは洗浄の方程式にもある通りです。
なのでゆっくり通す必要がありました。
ですからアップライトも汚れのひどいところは本当にゆっくり引いてかけます。


白パッドで洗う場合には、面で接地しており、パッドが通る間に何回かその場所は擦られています。
しかも外周や内周など様々な速度で擦られています。
R3の単純な作業面積ではポリッシャーよりはるかに面積を稼げるのですが、同じ仕上がりレベルを求めるとポリッシャーの方が作業スピードは速くなります。
R3はポリッシャーと違って扱えるというメリットはありますね。
その両方をカバーしているのがバルチャーやオーボットのような後ろにキャスターのついたマシンです。
つまりは後ろにキャスターがついていれば誰でも扱えるわけで、いわゆる銀ポリで後ろにキャスターがあるものであれば、カーペット洗浄を行う際は白パッドを取り付けキャスターを下ろして前後に使えば日常清掃の方でも使うことは可能です。
うちの現場でも昔は12インチのポリッシャーで日常のスタッフに洗ってもらっていました。
12インチだと広い面積は無理でも、ちょっとしたシミ取りやエレベーターホールを洗うだけなら十分なのです。


長くなってしまうので次回に続きます。
2024年03月11日 00:00

カーペットやソファのメンテナンス 1/3

先日カーペットやソファのメンテナンスについて相談を受けましたので、その関連の話をしていこうと思います。
大型のショッピングセンターのカーペットも多機能還元水で管理されている方もいらっしゃいますから、多機能還元水があればメンテナンスはほとんど可能と言って良いと思います。


IICRCではCHAT理論を学びますが、それでは足りないのでHPに洗浄の方程式を出させていただいたおります。
またリンサーにも多機能還元水を1000倍で入れることで回収率がアップし取れない汚れが取れます。
浸透圧の関係でそうなるのですが、どこのメーカーも教育機関にも書いていない大きなポイントです。


カーペットや特にソファのメンテナンスで重要なのは、より水に近いものだけでメンテナンスすることで、界面活性剤を極力使わないことです。
界面活性剤を使うことで必ず汚れやすくなります。
またソファだと人の肌が直接触れるものです。
いくらリンサーでリンスしても使った洗剤分を完全に回収するのは時間的に物理的に不可能です。
(ワックス床ですら不可能ですから)
そういったことから多機能還元水はすべての汚れに対応できる為、お湯で希釈したり、噴霧量を増やしたり、重曹やアルカリ電解水を添加したり、様々な手段を併用していきます。


保育園や病院のように敏感な方が多い現場ではにおいも重要な要素です。
海外製品のケミカルはにおいもきついものが多いですから、においのない多機能還元水は非常に有効です。
多機能還元水の場合は残留しても問題になる心配がありません。
むしろわざと残留させることによって染みの抜けが良くなりますのでリンサーの中に多機能還元水を入れておくのも理由の一つなのです。


わざと残留させる手法として、日常清掃でアップライトをかけた後に多機能還元水250倍(スプレーヤーに2プッシュ)を汚れに噴霧しておきます。
そうすることで程度問題がありますが、シミが抜けていきますから、わざわざ染み抜き作業をしなくてよくなり、かなりの労力を削減することが可能です。
定期清掃でも
アップライト
→多機能還元水250倍噴霧
→放置時間をおく
→ポリッシャーに白パッドをつけて回す
だけで汚れは白パッドに移りますし、残留した多機能還元水がシミを抜くので明るく仕上がります。
近年ではオーボットで使われる方も多いですね。


次回は以前あったパッドやマシンなど歴史について述べていきます。
2024年03月07日 00:00

消耗品と資産

前回カットサロンの例を出して初期投資で赤字になる話をしました。
そこで使った費用ですが、それは消耗品でなく資産であるという話を今回はしていきます。


同じお金を使うのでも、消耗品と資産ではその意味合いが大きくことなります。
前回美容室のメンテナンスで土砂取りマットの話をしましたが、10年以上使えるものは消耗品ではなく、資産的な意味を持ちます。
何もしなくても、24時間365日除塵してくれるのですから非常に優秀です。


700mm × 900mmの裏地なしの土砂取りマットをモノタロウで18900円(税抜)で買いました。
その時に出るお金はマットとしてはかなり高額な部類です。
他の物件で使う大きなタイプだと6万円以上するものもあります。
とはいえ10年以上(当社で1番長かったのは15年)持ちますから、1年あたり1890円、1ヶ月あたりたったの157.5円です。
もしその物件がなくなっても別の物件に持って行くことも可能です。


多くの人がこの見た目の金額に判断を誤るのです。
18900円を使ってその瞬間に消耗するのであれば高いのですが、10年以上使えるのなら非常に有効なものと言えますし、性能的にもリースマット10枚分の能力があって、土砂の流入量を半分以下にできるので、定期物件には必要不可欠と言えます。


東京都内の山手線内側の物件に多いのですが、そもそも土砂がないのであまり床が痛まないのです。
土砂取りマットは土足禁止状態とまではいきませんが、それに近い状態を作り、日々のお店のトレールモップでのウェットダスターで土砂を確実に除去し、作ったUAコーティングの被膜が痛むことを防ぎます。
1番高いのは作業にかかる人件費なのですから、長期間維持してメンテナンス周期を伸ばし、1回あたりの単価を上げていくことがポイントです。


高級なアクセサリーや時計はいわゆる資産ですが、これは元々海外逃亡用の資産とも言われています。(持ち出すには一定の手続きは必要です)
簡単に持ち出せて換金しやすい資産と言われるからです。
高額な現金は海外へ持ち出せませんからね。
換金しやすいかつ投資物件としての認識もあります。
購入した時の価格より高く売れることがありますから。
ただ消耗して行くものを買っているわけではないのです。


事業を行う中では、資産でも特に30万円を超えるものは固定資産として減価償却していきますね。
つまりは貸借対照表の左上にある現金が減って右下の利益が減るのではなく、左下の固定資産のところに移動するだけです。
貸借対照表としては小さくなっていないのですね。
ところが消耗品として瞬間的になくなるものは左上の現金と右下の利益がなくなります。
会社規模が小さくなったことを示します。
(会社規模は売上高や利益だけでは半分しか示せません)


現場でお金を使う時にはそれはただの消耗品なのか、ずっと利益改善に貢献してくれる資産なのかを意識して見るだけで、すこし高くても資産になるものを選んだ方が良い場合もあるのです。
今回は土砂取りマットで例えましたが、前回の作業の話では耐久性の高いUAコーティングの被膜を作るというのは無形の資産と言えます。
それがあるから高い収益性を生み出しているわけです。


そういった視点でお金の使い方を考えていくと事業の展開もすこし変わっていきます。
2024年03月04日 00:00

現場の組み立て 寒い時期の1階の床 3/3

これまで2回の続きの最終回です。


今回は4月までメンテナンスに入るのを延ばせないという事情もあったのでこのような形を取っています。
とはいえ、実際に乾燥と硬化が悪かったので、厚めに2層なんて入れていたら、乾燥も硬化も悪く、最後に塗る頃には24時を周り、もはや硬化できないレベルになっていたことが容易に想像できます。
お金がもらえないのに作業するのかなんて思う方も多いでしょうけど、UAコーティングを1層入れておくことで床材が痛まないだけでなく、次回の作業時にそのUAコーティングの表面を平滑に洗って上にUAコーティングを塗れますからより平滑に仕上がり汚れにくくなります。
この場合は次のメンテナンスまでの期間が短く、汚れもさほどないのでしっかり減膜する洗浄が不要になり、増膜させやすいです。


日常清掃で洗浄機がある現場だと、通常期にUAコーティングなりUAフィニッシュLなり2層塗った場合、翌日に洗浄機で1パス洗浄してから上に塗り足せます。
洗浄時間が大幅に短縮できるのと、洗ってからの乾燥時間も早いので、剥離をした場合や新規現場の立ち上げの際には非常に有効なやり方です。
実際には昔GMSをドライ管理していた時代は、定期で洗って3層塗って、翌日洗浄機で1パス洗浄しさらに3層塗っていました。
3ヶ月にわけて2層ずつ塗るより、洗浄のコストが大幅に短縮できるので利益が出るようになります。
現代の技術レベルだと20分以内に乾燥する塗布量で多めに1層塗布が圧倒的に耐久性が出ますから、厚めに2日で2層といったイメージになりますね。
ワックスは立体物ですから、結局1㎡あたり何cc塗ったかで厚みが決まります。
そして塗布量が多い方がしっかりレベリングしますから見た目も耐久性も雲泥の差です。
厚く1層より薄く2層の方が持つというのは、作業レベルが低いうちの間で、作業レベルが上がると厚く1層の方が圧倒的に持ちます。
昔のUAコーティングの耐久性は今の技術レベルならUAフィニッシュL厚めに1層で出せてしまいます。


まあそんな感じでカットサロンの立ち上げを行ったわけです。
初回4月の作業で見た場合、1月に行った作業も含め明らかな赤字です。
それでもそのあとは1時間程度で作業が終わる高い利益率になりますから先行してそこに資本投下するというのは大切なことなんです。
単価の安い物件を頑張ってやらなくても、組み立て方によっては条件の良い物件に化けるのですから。
現代ではいわゆる美味しい物件などありません。
他社が利益の出せない物件を美味しい物件に変えるのが技術なのです。
一回きりの作業ではなく、ずっと続く定期作業ですからね。
そして単純な労働ではなく、いわゆる資産形成の仕事と言えます。
そのためにかけるところにはしっかり資本投下するというのが大切です。
これは消耗品ではなく、資産にお金を使っているというのがポイントです。


次回はおまけでこの初期投資についての考察をしていきます。
2024年02月29日 00:00

現場の組み立て 寒い時期の1階の床 2/3

前回からの続きです。


作業した日は1月下旬の寒い日でした。
半分ずつ作業しますから、2層塗るとなると19時から始めても最後残った部分の2層目を塗る時間は23時をすぎています。
結果4回塗らなければいけんませんから。
ここでのポイントは1階ということです。
つまりは床温の影響をもろに受けるという意味です。
2階だとずいぶんと状況も変わります。
また1月に作業を行うと、そこから半年に1回ですから7月/1月のスケジュールになります。
7月は良いにしても毎年1月に塗布しなければならない場合は乾燥が悪く、何より寒い時期に作業したくありません。
道具の積み下ろしが寒いですし、雪が降ったりすれば作業日程の再調整なども出てしまいますから。


床温が低いと何がいけないかというと、エアコンの高い温度と低い床温によって床の表面が結露しますから乾燥しないのです。
乾かないからとエアコンの温度を上げれば上げるほど温度差が大きくなります。
また何より被膜の硬化時間が長くかかってしまいます。
実際に今回の作業では1層しか塗っていませんが、後半の半分に塗ったUAコーティングは22時を過ぎていましたし、入り口側ということもあって床温が急激に下がっていて硬化に時間がかかりました。
薄く塗っても乾燥と硬化で1時間かかっています。
この硬化をちゃんとできていないと耐久性も出ませんし、焦って上に被せると密着しなくなってしまいます。


なので今回の作業はお客さんに対して請求せず無償作業とし、費用が発生するのは4月からとしました。
4月/10月が1番楽というのもあります。
初回作業は日常で使用する資材の説明を土砂取りマットの設置、洗ってUAコーティングを薄く1層入れるだけにしました。
そして4月からのスタートで作業に入った時にUAコーティングを1層しっかり塗ります。
4月なら暖かいのでしっかりと塗れ、しっかり硬化させることができて耐久性の高い被膜が作れます。
(雨の場合は延期します)


無償貸し出しの資材や無償作業で赤字のように見えますが、その時点では確かに赤字でも長期で見れば非常に高い利益率を出すことができるので、初期投資はすぐに回収できてしまいます。


また次回に続きます。
2024年02月26日 00:00

現場の組み立て 寒い時期の1階の床 1/3

実際に新規の現場をどう組み立てているのかという声もいただきますので、今回は先日新規ではじめたカットサロン(シャンプー台なし)を一つの例にして説明していきたいと思います。


スーパーを核テナントしたショッピングセンターの端にある1階にある6席程度のカットサロンですので、さほど広くありません。
外からそのまま店内に入れる店舗です。
オープンからちょうど1年経過。
オーナーの話では新築時にサービスコートとして1層ワックスが塗ってあるとあるというクッションフロア。
(実際には塗られていませんでした)



作業は1月下旬の非常に寒い日。
作業開始は19時過ぎからです。
メンテナンスは年2回というのがここの美容室のグループの標準仕様にさせてもらっています。
元々、某会社が毎月やっていたのを年12回も必要ないから2回にして単価を上げて年額はすこしだけ下げるという契約です。
他店舗は初期作業でUAコーティングを2層ちゃんと被膜を作れば4、5年程度は光沢復元洗浄のみでメンテナンスできています。
日常清掃は
・トレールモップ
・ダスターハンドル
・多機能還元水
・3Mの土砂取りマット
を当社から無償で貸し出し、お店の美容師さんに1日1回メンテナンスをしてもらいます。
この時点で結構費用がかかっているじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この時点で初回作業費は赤字になります。
しかし一時的にお金は出て行くものの土砂取りマットは10年程度使えますから、1年あたりで見れば実際はさほど高くないのです。


UAコーティングも同じです。
塗る時点ではワックスの3倍のコストがかかりますが、その後のメンテナンスで大きな利益を生み出します。


物の移動は平台車を使用します。
8台くらい持って行くことで、度々重たいものを積んで降ろしてとする必要がありません。
半分ずつしか作業できませんから、これは結構重要なのです。


除塵はインスタにもよくアップしますが、シャンプー台のシャワーヘッドで水を撒いて回収しますが、今回はシャンプー台がない店舗だったので、柄杓で撒いてスクイジーで回収しました。


長くなるので次回へ続きます。
2024年02月22日 00:00