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開発者コラム

組織品質が企業の力②

前回からの続きです。


そこで今回のテーマに戻ってくるのですが、我々の業界は個人の能力に依存した品質であり利益率です。
ただそれではいけないということになりますね。
つまりは組織としての品質ということが求められるのです。
ヒューマンエラーをなくすには人に依存しない仕組みを作るというテーマのコラムを書いたことがありますが、今回のテーマの場合人に依存しない仕組みではなく、人に依存しない教育の仕組みづくりが必要なのです。
この業界のあるあるですが、教える人によって教えていることがずれていることがよくあります。
入社時期によって教わる人が違ったり、技術の進歩で教えることが違っていてアップデートできていなかったりして発生するということはうちの社内ではあったことです。
つまり教育の方法が人に依存しているということですね。


当社の取引先さんでも数100人スタッフさんがいらっしゃる会社では、1現場が100人近い現場もあったりします。
そうなると1人ずつ教育なんて不可能と言えます。
かといって教育しないと現場は大変なことになります。
そういった会社では動画や図解を使ってうまく教育されています。
ナノプラスが動画や図解になっているのもそういった理由からです。
定期清掃のスタッフさんの教育に当社の動画や図解、コラムを使われている会社もあるようで、わたしも講師として招かれてセミナーをすることもあります。


いくらロボットAIマシンが作業をしてもそれを扱うのは人ですし、基本的にはほとんど人が作業をするのですから人の教育というのは非常に重要です。
製造業でいえば、1日100個の製品を作れる機械を1日200個の製品を高い品質で作れるように機械をアップグレードするのと同じです。
ところがビルメン業界は不思議とここに時間や手間をかけないのです。
経営者がそこに氣がつき進めている会社は利益率が高いですから、働く人の賃金も上げやすく、求人募集しても集まりやすくなります。


社会情勢の変化により、人手不足はさらに進みます。
ビルメン業界のように賃金が低い業界でなくても今はUberだったり、タイミーだったり、お手軽に働ける時代です。
ただ単に会社の利益を上げる為に利益率を上げる時代から、利益率を上げられない会社は人手不足倒産という時代へ変わっていきます。


1人の有能なスタッフさんによって成り立っている会社が多い業界ですが、その1人もずっと現役でいる訳ではありませんし、人間ですから病気や怪我で休むことだってあります。転職することもあるでしょうし。
うちのスタッフにもよく言いますが、うちのスタッフの仕事は作業をこなす人ではなく、作業しながら効率化の仕組みを見つけられる人だと言っています。
仕組みづくりができる人だから時間短縮でき1時間あたりの収入も上がるのです。
そういった効率化であったり教育を組織的だったり仕組みとして取り組めることが大切です。
2024年05月27日 00:00

組織品質が企業の力①

品質は利益率にも繋がります。
高い品質を出せるということはそれだけ耐久性の高いワックス管理ができるということであり、単価によっては抜くところは抜いて仕様や単価に合わせることができるからです。


ただワックスを光らせたいのであればワックスをたくさん塗ったりバフをかければ素人でもできますがそんなものは品質とは言いません。
すぐに光沢が落ちてしまうのならそれだけそれを復旧する手間がかかりますからコストはかかってしまうわけです。
長期的に安定した被膜を作ることができるからこそ高い利益率につながるのであり、それを高い品質を定義しています。


我々の現場の仕事は人に依存していると言っても過言ではありません。
しかし人に依存するからこそ不安定な訳で利益率も不安定とも言えます。
Aさんが管理する現場とBさんが管理する現場、同じチェーンの同じ面積の店舗だったとしたら同じ利益率にならなければいけませんが実際そうではないのがこの業界です。


例えば製造業で物を作るたびに利益率が異なっていたら大問題です。
自動車メーカーが車を作るたびに違う車ができていたら大問題です。
製造業であってもすべて機械ではなく人の手で作られていて一部のスポーツモデルのエンジンは機械ではなく職人さんが手で組んでいます。
そう考えると我々の業界は人による依存割合が大きいからなんていう言い訳は通用しません。
やるかやらないかの違いだけです。


次回に続きます。
2024年05月23日 00:00

ワックス塗布概論④

前回からの続きです。



ここまでくれば条件の悪いと寒い時期に作業することはまったくメリットがないことがわかってきます。
とはいえ、寒い時期にオープンする店舗もないわけではありません。
そんな場合は10分〜20分の間に乾燥させれば良いのですから、トレールワックスモップの特徴を活かした薄塗りをすれば良いのです。
塗布量が少なければ氷点下でもない限り寒い時期でも乾燥します。
ワックス塗布方法もそうですが、ワックスの塗布量のコントロールができることが非常に大切であることがよくわかると思います。
普段から訓練していけば決まった塗布量でワックスを塗布することはできるようになっていきます。
以前300㎡くらいの店舗で塗り込みをした時に1層目と2層目のボトル残量をほぼ同じで塗布したことがあります。
何も考えずに塗るのではなく、塗布量のコントロールができれば面積に対して必要なワックス量がわかります。
洗浄液は150cc~200cc/㎡ですからそこから逆算すれば簡単にケミカルコストを算出することができます。
算出できなければ正しい原価計算ができていないということですから、本来は当たり前のことです。


ただワックスを塗るだけでもおおよその注意点はこれだけあります。
詳細は図解に記してありますが、ただワックスを塗るのとこれらを理解して塗るのとでは結果は別物です。
白いご飯は誰でも炊けますが、白いご飯を美味しく炊くのはなかなか難しいのと同じで、簡単に単純に見えるものほど難しいのです。
前者はただワックスを塗るという1工程で見てしまっていますが、後者は何工程にも分けてワックス塗布というものを認識し作業をしています。
これはダスターでもそうですし、洗浄や汚水回収でもそうです。
また営業や管理、経営においても同じことで仕事のできる人ほどもっと細かい工程を早く処理しているのです。
1流ほど「そこまで細かいことをしなくても良いのに」と思うほど細かくきっちり最適のタイミングで実行できています。


ナノプラスをはじめられた時にこのHPや作業の図解や動画を見られる方は多いですが、その後ナノプラスを使い続けている時にそれを再度見る方は稀です。
でもその再度見る方こそが自分自身の作業とのずれの補正してちゃんと結果を残されているのです。
自己流の方も多い業界ですが、まずはそれら書いてあることをすべてやってみて理解されてから自己流をされた方がよろしいかと思います。
解れば解るほどその自己流にはなっていきません。
現在のナノプラスの作業の理論だったり、作業の方法だったり、わたし自身が色んな現場に行って色んな方の作業を見たり、研究者と議論を交わしながら積み上げていった業界の歴史そのものです。
自分自身のものというよりは業界の知識や技術の積み上げを残していると思っています。
この業界は知識や技術の伝承が業界としてほとんど行われていない業界です。
だからこそ仕事をする会社によってそれは非常に左右されてしまい、本来であればもっと短時間で知識や技術を習得して高いレベルの現場管理を行えるはずなのに業界慣習がそれを阻んでしまっています。
現在この業界にいらっしゃる方は当然のこと、これからこの業界に入られる方の為にもまだまだ知識や技術の研鑽を続けていき、次の世代に渡していきたいと思っています。
ナノプラスを使っていただいている方々はそれを継いでいっていただける方だと信じています。

 
2024年05月20日 00:00

【再掲】領収書発行について

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いつもナノプラス製品をご使用いただきありがとうございます。
よくご依頼いただきます領収書の発行について再度のご案内です。


インボイス情報の入った領収書の発行についてですが、ショッピングサイトBASEでのご購入であり、当社と直接現金のやり取りを行っておりませんので当社から税務上有効な領収書の発行は行うことができません。
商品発送後に上記のようなメールが届き、こちらが領収書の代わりとなります。



決済方法により保管に必要なものが異なります。

◯クレジットカード決済の場合
・発送後に届くメール
・クレジットカード明細
・クレジットカード引き落としの明細

◯AmazonPay/キャリア決済の場合
・発送後に届くメール
・AmazonPay/キャリアの明細
・クレジットカード/口座引き落としの明細

◯銀行振込決済の場合
・発送後に届くメール
・銀行振込時の控え

◯コンビニ払い決済の場合
・発送後に届くメール
・コンビニ払いの控え

まとめると
・インボイス情報入りの購入の明細
・どうやって支払ったか
・実際のお金の動き
が必要です。


以上揃えることで税務上の問題はクリアできると税務署に確認済みです。


尚、電子取引保存が義務化されていますので、
インボイス情報の入ったメールの保管をお願いいたします。


よろしくお願いいたします。
2024年05月19日 17:03

ワックス塗布概論③

前回からの続きです。

ここまではレベリングの話とワックスを塗る前の乾燥の話をしました。
ここからはワックスの乾燥の話です。
ワックスは20分以内に乾燥させなければ良いワックス被膜になりません。
メーカーは30分以内と言いますが、良い被膜という条件をつけると20分になります。
20分と30分ではまったくできる被膜の質が違います。
つまりは理想的なワックスの乾燥時間は10分〜20分の間に乾燥する


そして次にワックスの硬化時間についてです。
見た目は1層でも十分になるでしょうが、UAフィニッシュLの層を厚くしておきたい場合は2層目を塗ることがありますね。
先に述べたようにUAコーティングだけにならないようにUAフィニッシュLを厚くしておくことは重要です。
光沢復元洗浄によってUAフィニッシュLはどんどん減っていきます。
減膜して傷がないところまで平滑に洗うから光沢復元しますので減るほど当然のことです。
剥離をしてUAコーティングを1層目に塗ってからUAフィニッシュLを2層目に塗ることもありますね。
UAフィニッシュLを含むワックスの硬化時間は乾燥時間と同じです。
15分で乾燥すれば硬化するのに15分かかります。(床温が低いと硬化時間は延びます)
硬化前の柔らかい状態の上にワックスを塗布すると下地が溶けて密着が悪くなります。
ワックスを塗っている途中でタックといってモップが引っかかることがありますが、あれは硬化していないのに塗ってしまうからです。
そしてそれが部分的に起こっているということは全体を同じ塗布量で塗っていないからです。
全体を同じ塗布量で塗れていれば同じように硬化します。


またいつも説明していますが、UAコーティングの場合は硬化時間=乾燥時間×2となります。
ですから剥離して乾燥させUAコーティングを入れてUAフィニッシュLを塗ると結構時間がかかることがわかりますね。
寒い時期にUAコーティングの硬化が待ちきれずに時間がないからとUAフィニッシュLを塗ってしまう方もいらっしゃいますが、その場合はUAフィニッシュLを塗るのは別の日もしくは次回作業にされることをお勧めします。
寒い時期はワックスの乾燥が悪いですが、ワックスを塗る前の乾燥時間もかかるのです。
特に15時を過ぎると気温は急激に下がりはじめ、相対的に湿度は上がって乾きにくくなります。


次回に続きます。
2024年05月16日 00:00

ワックス塗布概論②

前回からの続きです。


このレベリングをさせるのに重要なのは10分以内に「乾燥させないこと」です。
決して早く乾燥させるのではありません。
とにかく早く乾かしたいのか送風機を直接当てる方もいらっしゃいますが、それだとレベリングしないのは簡単にわかりますね。
直接でなく空気を動かせば良いだけです。
冷たくて湿度の高い空気は重たいので床面付近に溜まり、暖かくて湿度の低い空気は軽いので天井に溜まります。
つまりは床面付近の空気は乾きにくいのです。
送風機を上に向けて使うと空気の循環が起こりますので乾きやすくなります。
1番良いのはダクトファンでその空間の空気を引き抜いて外から湿度の低い空気を入れることです。
湿度の低い空気になれば乾燥しますから。





そうやって乾燥が良い状態になるということは10分以内に乾かないようにするにはそれだけワックスの塗布量を増やします。
レベリングがよく写像性が出てボリューム感も出ますから1層塗布でも十分すぎる仕上がりになりますね。
当社の現場ではよほどの悪条件でなければ基本的に1層の多めの量(20cc/㎡以上)の塗布量で、8月の天気の良い日で換気が良ければ40cc/㎡くらいの塗布量になることもあります。
毎月塗るのであれば20cc/㎡は塗りすぎかもしれませんが、ワックス塗布からワックス塗布までの間に光沢復元洗浄で何度か作業を逃げてしまいます。
これまでの研究で痛いほど良くわかりましたが、下地のUAコーティングに汚れや傷を入れない為にUAフィニッシュLを適度の厚みに保つことが重要です。
痛みのひどい食品スーパーなどで光沢復元洗浄で終わってUAコーティングだけになっていることに気が付かず帰ってしまうと、UAコーティングはUAフィニッシュLほど減膜性が良くないので、UAコーティングに入った傷や汚れがあった場合は除去が大変です。
UAコーティングだけで管理する現場は基本的に傷が入りにくく、汚れが押し込まれることにないような現場で、美容院だったり、通路がカーペットの事務所ビルの水まわりやショッピングセンターのテナント部分のような場所です。
特に通路がカーペットの事務所ビルの水まわりはカーペットを通っての作業になるので、洗浄液の垂れなど資機材の移動だけでも神経を使います。
土砂は通路のカーペットが止めてくれますから、UAコーティングを塗っておけば次回からは拭いて終わりです。
実際に東京都内中心部の事務所ビルでも結構使っていただき、一度UAコーティングを施工したらビルを壊すまで永久にやらないという声を頂いたこともあります。



またワックスを塗る前に湿度を落とすのもポイントです。
環境にもよりますが、洗浄作業で湿度は10%くらい上がります。
洗浄の場合150cc/㎡ほど洗浄液を塗布します。
ワックス塗布は10~20cc/㎡程度です。
洗浄液の方がはるかに多く撒いているのです。
洗浄作業中に空気はしっかりと洗浄液の水分を吸い込みます。
そして湿度が上がれば上がるほど水分の吸収は遅くなります。
湿度が低い方が乾燥は速いのです。
ナノプラスを基本に忠実に使われている方は温湿度計を必ず使われています。
わたし自身も明らかに乾燥の悪そうな日にワックスを塗らなければいけない日は温湿度計で確認しています。
洗浄で一度上がって湿度を洗浄前の湿度に戻してからワックスを塗らなければワックスが乾きにくくなっていることはすぐにわかりますね。
湿度がちゃんと下がっているということは床材や下地のワックスがちゃんと乾燥していることを示します。
床面を乾燥させることがワックスの密着率にも関係しますから、非常に大切なことなのです。



次回に続きます。
2024年05月13日 00:00

ワックス塗布概論①

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↑の写真はワックス塗布する際にタイマーを仕掛けておき、乾燥時間の目安にしたスクリーンショットです。
既に歩けるようになって18分58秒でしたので非常に理想的な乾燥時間と言えます。
光沢がありすぎてまだ乾いていなかったのでしばらく様子を見ていたら既に乾燥していたパターンでしたので、触った感じだと14,15分くらいで乾燥していたようです。


前回までは完全密着するワックスというテーマでしたが、今回から4回に分けてワックス塗布についてのポイントです。
塗り方は作業の動画や図解に記してありますので、まずはそちらをご覧ください。
全体を同じ塗布量で塗ることで乾燥時間が揃うだけでなく、写像性や光沢度も変わります。
実際に比較して光沢度を測ったことがありますが、7ポイントほど差が出たこともありました。
塗り込むというよりは、垂らしたワックスを同じ量になるように塗り広げていくというイメージです。
なので、垂らしてモップをくるくる回して縦横に塗っていくという方法ではそうはならないのです。
わたし自身の作業の癖で動画のように塗布しているのではなく、すべて理由があって塗り方が決まっています。


そしてこのHPにある作業動画や作業の図解にある作業方法にすべて意味がありますから、自己流でそれを変えると当然そこから問題が発生します。
1つ変えるだけで大きな変化にはなりませんが、そのわずかな変化1つが1年、2年、3年とどんどん大きな変化というより大きな差になって広がっていくのです。
踏み出す目の前の一歩が5センチずれていると100km先ではとんでもない差になっているのと同じことです。


塗り方についてはそのくらいにしておいて、重要なのはレベリング時間と乾燥時間です。
昔は薄塗りの方が早く乾燥し硬化も早いので耐久性が高いと思っていました。
そしてそれは確かに事実でした。
ただしそれは最初の1週間程度の話です。
1年以上持つ被膜になってくるとレベリングが非常に重要であるということがわかってきました。
目にはほとんど見えないレベルでモップの線が出てしまっていて、当社のトレールワックスモップは目が細かいのでそれが非常に見えにくくレベリングも非常に良いですが、それでも微細に表面が波打っていますから歩行の衝撃を波の頂点で受け止めるので単位あたりの荷重が大きくなってしまうのです。


大根をおろすのに角を立てておろしているような状態で、1m平方メートルあたりの荷重が大きくなりますから結果弱いのです。
1年以上維持できる被膜はこのレベリングが最低条件で、1年以上維持できるということはそれだけ利益率が上がることを指しています。
一般的なワックスモップは思いっきりモップの線が出てしまいますから非常にレベリングは悪いのです。


次回に続きます。
2024年05月09日 00:00

完全密着するワックス④

前回までの工程を丁寧にしていくと時間がなくなりますから、硬化時間を待てずに2層目を入れて失敗する事例がよくあります。
作業において早く帰りたいから早く終わらせたいという気持ちが働きますが、そんな気持ちでUAコーティングの被膜を作ろうと思うならやらない方がマシです。
最初からUAフィニッシュLだけで管理しましょう。
乾燥も硬化も早いですし、失敗しても洗浄で剥離ができるので誰でもできて簡単です。


午前中から作業をはじめてUAコーティングの1層目が乾燥する時間は15時すぎくらいですから、ちょうど気温も下がってきます。
冬の寒い日や雨の日にそういったことになりますが、その場合は無理して2層目を塗らないことです。
UAコーティングはトップコートとしても使えるように作っています。
基本的にはUAコーティングの上にUAフィニッシュLを塗ることを推奨しており、メンテナンスとしてのバランスが1番優れます。
UAコーティングだけの管理は非常に高い管理レベルが要求されますので上級者向けで、そもそも汚れないところにUAコーティングを塗って2度と手を入れない場合に使うものです。
汚れるところはUAフィニッシュLを保護として塗っておきます。
UAコーティングの上にUAフィニッシュLを4、5層塗り込んでおけば食品スーパーでも毎回の作業は光沢復元洗浄で終わらせることは可能ですし、こういった内容を正しく理解して実行できていれば椅子のひこずりがあるような学校の床でも1年〜3年程度はUAフィニッシュLで年1、2回の光沢復元洗浄十分管理できます。


洗って汚水を取ってUAコーティングを塗れば、洗ってUAコーティングを塗ったと言えるでしょう。
しかしそのできたUAコーティングの被膜の質は耐久性のない低レベルな被膜であり、傷も入りやすく長期間維持はできません。
そしてUAコーティングは剥離はできますが、UAフィニッシュLのように洗浄で簡単に剥離はできません。(だからベースコートとして最適)
他のワックスでもそうですが、長期で維持のできない被膜は毎回ワックスを塗らなければいけませんから作業時間が伸び、ワックスコストもかさみますから利益が出ません。
何より1週間も綺麗な状態が続きませんし、やればやるほど黒くなって剥離なんていうメンテナンスはお客さんにたいして汚すことしか提供していませんからやる意味もありません。
こういったこともしっかりと学んで実行し、その精度を100%に近づけていけば今持っている物件の利益率は何倍にもなり、より短時間で高い利益が出せて短い時間で仕事をして、可処分時間を大幅に増やすことができます。


たかがワックスの密着率ですが、そこまで考えていくとワックスを完全に密着させるということは非常に重要なことなんです。
量子フロアメンテナンスになると界面活性剤自体を使いませんのでワックスの密着率はさらに上がります。
しかしそういった量子技術の活用についてもこれまでに述べた基本的な知識を持って実行しているから効果が出るのであって、それがなければ活きてきません。
量子フロアメンテナンスのセミナーについても随時受付をしていますので、ご興味のある方はこちらをお読みいただき申込ください。
2024年05月06日 00:00

完全密着するワックス③

ここまでは剥離してUAコーティングを塗る前段階の話です。
そこから床材をしっかり乾燥させてからUAコーティングを塗りますが、天気の良い夏でも最低30分は床材の乾燥時間を取ってほしいものです。
冬で床温が低いとエアコンをつけますが、室内の気温と床温の温度差で結露します。
つまりは床材が乾かないのです。
これは剥離でなくワックスがある状態での洗浄も同じですから冬はワックスを塗るなということになっています。
2階のように地面から離れていたり、1階でも地面から浮かせてあれば別ですが、地面に直接床が貼ってあるような床だとそれは顕著です。


18Lのワックス缶の話になりますが、極端に寒い日だと床に直置きしていると未開封でもワックスが凍ってしまうことがあるのです。
ダンボールが敷かれてあったり、棚にのっているだけで違うのですけどね。
凍ったワックスはもう使うことはできません。
塗ってもちゃんとした被膜にならない部分が出てくるので、結果剥離しないといけなくなります。
北海道向けには冬季にダンボールにワックス缶を入れて出荷という対応になっていましたが、最近はそれ以外の地域でも極端に寒くなって大雪という今季の冬でした。
それも踏まえて来季は北海道以外の地域でもそういったことが想定される場合にはワックス缶をダンボールに入れて出荷することを検討しているところです。


話を戻して、ちゃんと乾燥させて上にUAコーティングを20分以内に乾燥する量で塗ります。
UAコーティングの場合は乾燥時間の2倍硬化時間が必要です。
15分で乾燥して柔らかいけど歩けるようになったら硬化時間を30分取ります。
床温が低いと硬化時間は長くなる傾向にあります。
そうして硬化して表面のベタつきがなくなり、さらさらになって初めてその上にUAコーティングなりUAフィニッシュLなり塗ることができるようになります。
剥離→リンス2回→乾燥→UAコーティング塗布乾燥硬化の工程を考えてみてください。
ちゃんと密着率を出そうと思うと意外と時間も手間もかかるのです。


次回へ続きます。
2024年05月02日 00:00

完全密着するワックス②

先日ナノプラスは洗剤分の残留量なども考慮してシステム設計していますというコラムを書きました。
剥離剤を使った場合、ちゃんとウェットバキュームや洗浄機で剥離汚水を回収するのを前提で考えても、多機能還元水1000倍希釈をたっぷり塗って洗浄回収(パッドやモップは綺麗なものに変える)を2回行います。ポリッシャータンク出しだと水の絶対量が少ないですから、リンス率は下がります。
1㎡を50ccでリンスするのと150ccでリンスするのとでは残留量が変わりますね。


あわせてリンス率の話もしましたので復習です。
頑張って回収して90%と仮定しましょう。
剥離剤の希釈は10倍、そこに水を打って洗浄機やポリッシャーから水を出し薄めながら洗浄し、回収する際も洗浄機から水を出しながら回収して回収した剥離剤の希釈は15倍としましょう。
15倍希釈の剥離剤が90%回収されます。
そこに水を塗って回収すれば、15倍→150倍となります。(塗布する水の量にもよります)
最近の剥離剤は溶剤系でphはすこし低めとはいえ、リンスの水を塗った時点では9〜10くらいでしょう。
そこからもう一度リンスして150倍→1500倍でphは7まで落とせます。
多機能還元水1000倍を使うのは回収率を上げる為です。
また多機能還元水1000倍によってphが7にならなくても、残留した多機能還元水1000倍希釈のアルカリがワックスへ悪影響を及ぼしませんから問題ありません。


クエン酸などで中和する手法もありますがこれは非常に悪手です。
アルカリと酸が反応して塩(しおではなく化学用語でえん)ができ、それを除去するのにもう一度リンスする必要があります。
またphも必ず全体が7になりませんから結果もう一度水でリンスする必要があります。
同じ2回リンスするのであれば最初から水の方が良いわけです。
phが酸性に傾いた状態でワックスを塗るとワックスが被膜になりません。
すこし話が逸れますが、剥離汚水や洗浄汚水からワックスのポリマー分などを回収するとともにphを下げる手法として洗浄機やバキュームの汚水タンクにクエン酸を希釈した水を入れておくとそういった成分が固まってネットなどに濾して回収できます。
クエン酸そのものを入れるとガムのように粘って除去が面倒なことになります。
つまりはそういったものですから床面が酸性の状態になるというのはそういうことなのです。


次回へ続きます。
2024年04月29日 00:00