ワックス被膜の話①
ワックスは組成により色んな特性がありますが、今日は耐薬品性についての話です。少し長い記事になるので、5回に分けていきます。
UAフィニッシュLやUAコーティングは油汚れに反応しないので、土砂などと一緒に踏んで押し込まない限り被膜が黒ずむことはありません。
それでもワックス被膜の上に油汚れがまったくつかない訳ではなく、油汚れを踏んだ足で歩けば油分は付着します。
何年も前に実験で、他社のワックスが塗ってある食品スーパーの惣菜売り場だけにUAフィニッシュLやUAコーティングを塗るということをしたことがあります。
他社のワックス(現場によってはガラスコーティング)の上に1層塗って、それ以外の部分と比較するというものです。
油の発生源の1番近いところに塗りますから1番黒くはなりそうですね。
日常清掃もこれまで通り、ダスターと洗浄機で水洗いのみのメンテナンスです
結果は1ヶ月も経たないうちに、UAフィニッシュLやUAコーティングを塗った場所だけ白いタイルが白く、それ以外の部分は黒くなっているという結果でした。
油の発生源の近くが汚れてなく、そこからはるか遠いところが真っ黒という知らない人が見たらもはや謎でしかない現象です。
それだけ一般的なワックスというのは汚れやすいと言えるのです。
ワックスが汚れないと洗剤も売れませんし、定期清掃が頻繁にないのでワックスも売れず、ビルドアップしないので剥離剤も売れません。
これを昔からわたしはメーカーが儲ける為にできあがった「業界の負のスパイラル」と呼んでいます。
実はそれをさせる為に正しい知識を与えないビルクリーニング技能士試験があるのですよね。
あんなものを間に受けて勉強しても間違いばかりなので現場は綺麗になりません。
だからこそナノプラスでは正しい知識や技術を後世へ伝えていくことを目的としています。
今回はここまで。
次回に続きます。
2023年06月08日 05:55