アーカイブ 作業方法の改革
2018年9月6日の記事のアーカイブです。元記事はこちら
作業方法の変更によって、作業時間を詰めるという話。
この回はコードレスポリッシャーによってすみ擦りをやめたという話。
ポリッシャーの当たらないところはワックスを塗りません。
そもそも階段以外でポリッシャーの入らないところは、歩行頻度が高いわけでないので、洗ってワックスを塗る必要はなく、多機能還元水を塗ってモップで擦り回収するだけで良いのです。
↓ここから過去記事
ペンギンワックスのリチウムイオンバッテリーのコードレスポリッシャー
最近はよく見かけるマシンです。
うちの会社も17インチにして導入しました。
実際に使ってみると本当に本当に良いマシンです。
カーペットの洗浄は厳しいですが、洗浄ワックス作業なら同サイズの洗浄機以上の作業面積をこなします。
これまでバッテリータイプのポリッシャーは現場レベルでは全く使えず、コード式のポリッシャーがメインでした。
しかしコードがあると洗浄機の動きが制限されて実用的ではありませんでした。
コードレスなら問題なく洗浄機と同時作業が可能になります。
その結果作業スピードは飛躍的に向上しました。
すみ擦り作業の廃止
まずスプラッシュホルダーなどの道具を使った手作業によるすみ擦りは、現実的には思うような減膜はできていません。手でスコッチも持ってゴシゴシすれば別ですが、体力が持たないでしょうし、今時そんな作業は剥離作業でも無い限りやらないでしょう。
道具を使ったすみ擦り、これは長期にわたり検証を行いましたが、労力の割に気休めでしかありませんでした。
この原因として1㎠あたりにどれだけ力をかけて何回擦っているかということです。
だいたい軽く擦っているし、回数はほとんど擦られていないですね。
キッチリキッチリ何度も力を入れて擦っていたのでもはや修行です。。。
それをポリッシャー作業に置き換え、すみ擦りを極力やめます。
その時間と体力消費量の削減たるやかなりのものです。
コード式のポリッシャーの場合は、ポリッシャーで先に洗浄機が走りにくい部分を洗って、洗浄機がまっすぐ走れる状態を作ります。
どうしてもポリッシャーの入らないところだけは手作業で対応します。
ただし人が歩かないところにわワックスを塗る必要はありません。
塗らなければきちんと擦られていなくてもどどうということはありません。
当社の現場は隅から10センチは開けて塗っています。
擦る場合のツールは、使い古しのUS SPPパッドをすみ擦りのホルダーにサイズに切ったものを使います。
洗浄機の弱みの消し込み
洗浄機で定期清掃ができれば作業効率は上がると思われがちですが、必ずしも上がるとは言えません。洗浄機は直進方向には絶対的な強みがあります。使い手の技術の差も出にくいですし。
しかし横方向の動きは非常に弱いです。
道具を増やさないように17インチの洗浄機1台で作業すると、隅の部分はヘッドを入れて後ろに引いて横にこじってという動きになります。
綺麗な長方形の現場であればそれは4カ所で済みます。
しかしそそんな建物ばかりではありません。
柱の出っ張りやエレベータ周り、建物の壁面は凸凹しています。
その度に洗浄機を止めてこじっていたのでは遅く、ポリッシャーでやってしまった方が早いんですね。
逆にポリッシャーの弱点は洗浄機より真っ直ぐには押しにくい点と作業者による差が出やすいこと。
まっすぐ押せない問題は自分が横になれば解決します。
あとは回転方向によってパッドのどの部分が洗えているかを理解できていれば、nano+なら走っても洗えます。
実際の動画はこちら
※スピードが速すぎて信用してもらえないので、撮影用にスピードを落としてあります。
UAフィニッシュLで正しく被膜を作れば、これ以上のスピードでも被膜を除去できます。
どの部分が洗えているか理解しにくい場合は、
こちらの資料をご覧下さい。
もしくは何も考えず、動画の通りポリッシャーを動かして下さい。正しく回すと洗浄液は中に集まってきます。洗浄液が集まって洗えることがポイントです。
洗えている部分は自分を中心にして左に進む場合、反時計回りのポリッシャーなら回転しているパッドの前側です。右に進む場合は、パッドの後側になります。
上手く使えば大幅な時間短縮に
現場によっては洗浄機をなくして手作業での回収に変えて、3人で半日の現場が1人で半日になりました。1/3の人件費です。さらにnano+以前は3人で1日かかっていた現場でしたので、それと比べると実に1/6の人件費で施工できるんですね。
急速充電器と大型バッテリー、17インチ換装で30万円しましたが、人件費を考えるとすぐに元がとれます。
急速充電が可能なので、休憩時間に充電したり、移動中に車で充電すればバッテリー1個でも十分に運用できますね。
不安な方は充電替えに小さいバッテリーがひとつあってもいいかもしれません。
もう一つのポイントは
「洗浄液の先塗り」に尽きます。先に塗るのは面倒なのでとポリッシャーのタンクから洗浄液を出して洗われる方がいらっしゃいますが、ワックス塗布前の洗浄では絶対にNGです。
洗浄液の量と反応時間が足りませんので、剥離が発生する原因になります。
そして最大の理由として、ポリッシャーをゆっくり動かさないと汚れすら落ちないこと。
洗浄液を先塗りしておけば、ポリッシャーを早く動かしてもそれ以上に綺麗に洗うことができます。
当社でも時間を計ったことがありますが、同じレベルの洗浄だと先に洗浄液を塗ってから洗った方が早く洗えるというデータも出ています。
もちろん、nano+のケミカル、ワックス、パッドという前提はありますが。
作業時間の短縮はこういった道具の使い方一つで大きく変わります。
普段それを考えながら作業されてみてはいかがでしょうか?
↑過去記事ここまで
いまだに洗浄液を塗ってから洗わず、タンク出しで洗う人もいるようですが、99%ではなく、100%失敗します。
それに洗浄スピードが遅いのです。
洗浄スピードは非常に重要です。
ワックス塗布前の洗浄で、SPPパッドでなく黄パッドで洗浄する実験(減膜量は十分出している状態)もしたことがありますが、取れにくいヒールマークなどもあり、SPPパッドの方がはるかに洗浄スピードが早いのです。
同じ光沢にするには、SPPパッドの方が+ワックス1層必要になりますが。
作業の中で1番時間がかかるのは戦場の時間です。
さまざまな工夫によって洗浄時間を短縮していきましょう。